レッドブルF1復帰への道を絶たれたガスリーは移籍を検討へ。主な候補は2チーム
セルジオ・ペレスがレッドブル・レーシングと2024年末までの2年にわたる契約更新を行ったことが発表された。この契約がF1ドライバーマーケットに与える影響は大きいだろう。
現在レッドブルとの契約下でアルファタウリで走るピエール・ガスリーは、少なくとも2024年末まではレッドブルに戻れる可能性がなくなった。ガスリーはアルファタウリで走り続ける可能性もあるものの、他のチームと交渉をスタートし、他の選択肢を探ることになるだろう。
ガスリーはトップ争いをする力のあるチームで走ることを強く望んでおり、レッドブル・レーシングへの復帰が認められないならレッドブルファミリーから離れたいと示唆している。
移籍先の候補のひとつはマクラーレンだ。ランド・ノリスは一貫して高いパフォーマンスを発揮し、フェラーリ、レッドブル、メルセデスのすぐ下、あるはメルセデスを時には上回る速さを見せている。一方、チームメイトのダニエル・リカルドはマクラーレンとの2023年の契約を有しているものの、本来持ち合わせているはずの速さを発揮することが今もできずにおり、マクラーレン・レーシングのCEOザク・ブラウンは、契約のなかに終了時期を早めることを可能にする条項があると認めた。
ブラウンはコルトン・ハータ、あるいは他のアメリカ人ドライバーを起用したがっている。ただ、マクラーレン上層部のほとんどの人間が、その考えに賛成していない。ハータは速くて才能があるドライバーだが、F1のサーキットやピレリタイヤでの経験がなく、F1の極めて高いレベルのテクノロジーにも馴染みがない。インディカーと異なりF1チームは非常に大規模であり、そういう全く新しい環境にハータを連れてくることには、大きなリスクがある。
そのためチーム代表アンドレアス・ザイドルは、何人かのF1ドライバーのマネジメント陣営との交渉を密かに開始した。そのなかのひとりがガスリーであるとみられる。ガスリーは予選でも決勝でも速く、アルファタウリではチームリーダーも務め、レッドブル・レーシングで働いた経験もあるため、マクラーレンにもたらすものは大きいだろう。
他にガスリーに関心を持っているとみられるのは、アストンマーティンだ。セバスチャン・ベッテルがF1を続けないと決めた場合、ランス・ストロールとの関係も良好なガスリーを候補として検討する可能性がある。ただ、チームオーナーでランスの父ローレンスとしては、息子より速いガスリーを選ぶことを避けたいかもしれない。ストロールSr.は、ミック・シューマッハーの獲得を考えているといわれている。アストンマーティン社はドイツでの販売台数拡大を目指しており、そういう意味で、ミックを乗せることには大きなメリットがある。
ハースとウイリアムズもガスリーにとっての候補になり得るが、ガスリーがこれらのチームへの移籍を望むかどうか定かではない。
いずれにしても、新たなドライバーを求めるチームであれば、ガスリーに注目するはずだ。彼の動向とともに、ドライバーマーケットに大きな動きが出るかもしれない。
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