【F1インタビュー】レッドブルの総合力で掴んだモナコでの勝利「攻め続けたペレスの速さがチームを動かした」と山本氏
2022年F1第7戦モナコGPでは、レッドブルのセルジオ・ペレスが3番グリッドから逆転で優勝を飾った。モナコGPをメキシコ人ドライバーが制したのはこれが初めてのことだ。マックス・フェルスタッペンも3位に入賞し、モナコでダブル表彰台を獲得したレッドブルについて、現場を訪れていた元ホンダの山本雅史氏は、チームの総合力が求められる場面で「レッドブルはしっかりしていた」と振り返った。
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──おめでとうございます。1-2フィニッシュとはいきませんでしたが、素晴らしいレースでした。
山本雅史氏(以下、山本氏):ありがとうございます。チェコにとって、モナコでの優勝は大きい。これで今シーズン、彼はこれからも気持ちよくレースができると思います。
──モナコGPが始まる前に山本さんにインタビューしたとおりの結果となりましたね。ペレスはカルロス・サインツ(フェラーリ)よりもいい仕事をしていて、レッドブルのチーム力は昨年より上がっている、と。
山本氏:今日のレースはスタート直前に雨が降ってきて、ストラテジーを含めてチームの総合力が鍵となったわけですが、レッドブルはしっかりとしていましたね。これで両選手権ともポイントが開いたわけですが、モナコの優勝というのはドライバーはもちろんチームにとってもとても大きいので、ポイント差以上にリードしている気分だと思います。
──ペレスは前戦スペインGPではチームオーダーが出されて悔しかったと思います。しかし、今回は堂々の優勝でした。
山本氏:今週末は金曜日から流れはずっとチェコのほうがよかったし、乗れていた。だから、チームとしては(2台の間にサインツがいたこともあって)チームオーダーを出すような状況でもなかったですね。
──ペレスはこれで通算3勝目ですが、過去2回はフェルスタッペンがリタイアするなかで掴んだ勝利だったのに対して、今回はフェルスタッペンを従えての優勝でした。
山本氏:本当にチェコはこの3日間、集中していました。予選ではクラッシュもしましたが、あれもQ3の最後のアタックで攻めた結果。やっぱりモータースポーツは攻める姿勢がないと勝てないということを改めて現場で感じました。
──それが今回のペレスの勝因ですね。
山本氏:そうですね。それとその雨のなかでも攻め続けたペレスの速さが、チームを動かしたことでしょう。
■「モナコは抜けないのに、わざわざ自分たちで後ろに下がった」アルファタウリの戦略ミスを指摘
──フェラーリはまた戦略で後手を踏みました。
山本氏:あれじゃ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がかわいそう。サインツの後ろで待たされた2回目のピットストップは、さすがにあってはならない戦略。あれでレッドブルは1-3体制を築くことができました。
──でもレッドブルがミスをしないだけでなく、プレッシャーをかけてくるからフェラーリもミスを犯したんでしょうね。
山本氏:そうですね。レッドブルは本当に強いチームです。
──アルファタウリも今日は戦略がうまく行かなかったように思います。
山本氏:ちょっとレースをコントロールできていなかったように思います。
──角田裕毅選手もウエットタイヤから早めにインターミディエイトタイヤに交換したチームの戦略には納得いっていなかったようです。
山本氏:あれはドライバーが怒る。だって、モナコは抜けないのに、わざわざ自分たちで後ろに下がったんだから。角田くんがかわいそう。クルマは悪くなかったんだから、戦略をもう一度見つめ直して、ドライバーも含めてチーム内でコミュケーションをしっかりととって今後のレースに臨んでほしいと思います。
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