F1ドライバーらがFIAにポーパシング問題への取り組みを要請「重大なインシデントが起きるのは時間の問題」とラッセル

 

 F1ドライバーたちは、新世代F1マシンに関連して、ポーパシング現象の身体へ及ぼす長期的影響について調査するよう、FIAに対して正式に要請を行った。

 新型のF1マシンはグラウンドエフェクトでダウンフォースを生みだすように設計されているが、後者を最大限活かすためには、マシンをできるかぎり地面に近づけなければならない。ところが、低いライドハイトと極端に硬いセットアップによって、ストレートを高速で走行する際、マシンのフロアと空力に由来する高頻度の上下動、つまり恒常的なポーパシングが発生するようになった。

 チームごとにマシンのデザインが異なるため、その深刻さにも濃淡はある。メルセデスとフェラーリがこの問題に最も苦しんでいるように見える一方、レッドブルはその影響をかなり軽減できたようだ。

 メルセデスのジョージ・ラッセルとフェラーリのカルロス・サインツを含むF1ドライバーたちは、持続的なポーパシングとボトミングから主に背中と首が受ける長期的な影響について、懸念を表明した。

「重大なインシデントが発生するのは、もはや時間の問題だ。直線であのバンプを走るときに、僕たちの多くはマシンをかろうじて制御しているんだ」と、ラッセルは語った。報道によれば、この件でFIAへの要請を行う上で、彼がドライバーたちのまとめ役になったという。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 バクーで行われたF1第8戦アゼルバイジャンGPのフリー走行中、チームメイトのシャルル・ルクレールよりも相当ひどくバウンシングとボトミングに苦しんだサインツは、金曜日夜に行われたドライバーズブリーフィングにおいて、ドライバーたちがこの問題を持ちだしたことを認めた。

「ドライバーズブリーフィングの席で、僕たちはみな互いの顔を見ながら『手を打つ必要がある』と話す状況にまで至っている」とサインツ。「つまり、1レースの話ならいいかもしれないけれど、この状態をあと10年続けられるのか、ということだ。僕はそう思わない」

「FIAに対して、この問題を調査してくれるよう要請したんだ。つまり、チームの話ばかりを聞くのではなく、僕たちの意見も聞いてほしいとね。僕たち全員がこの問題をなんとかしてほしいと思っている」

 F1が行った技術規則見直しの一環で、新型F1マシンはサスペンションの機能を下げた。サインツは、今の規制を緩めれば、マシン設計者たちがポーパシングの影響を軽減するためのより良い解決策が見つけやすくなるはずだと主張する。

 今のところ、唯一実行可能な策はライドハイトを上げることだ。但しこれはマシンのパフォーマンスにも著しい影響を及ぼす。

「僕たちに医療チームは必要ないと思う。必要なのは、サスペンションやマシンの走らせ方に関する、何かもっと賢いアイデアだ。各チームが走らせている、あの硬い、ストレートで生じるあの乗り心地について、FIAがもう少しうまくコントロールしてくれることだ」とサインツは語った。

「2、3人のエンジニアに聞いてみれば、間違いなくこの問題を抑えこみ、制御するための答えを見つけてくれるはずだよ」

「けれど、そのためにはFIAにできるだけ早く行動してもらう必要がある。そうでないと、いまの状態が蓄積されてしまうからだ」

カルロス・サインツ(フェラーリ)
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP カルロス・サインツ(フェラーリ)

『The Race』の報道によれば、F1ドライバーたちは、ポーパシングの影響を軽減するための規則変更について、FIAから前向きな話をされたようだ。しかし、変更を実現させるためのチーム投票で必要な数の賛成票は、今のところ見込めない状況なのだという。

 競争力強化の観点から現状を維持したい各チームが、変更の動きを妨げていると伝えられている。レッドブルもそのひとつだろう。

「これを危険と呼んでいいものかどうか分からないけれど、F1にとって、20人のドライバーたちがレース終了のたびに背中を痛めている必要などあるだろうか?」とサインツは述べた。

「個人的な意見としては、今日の技術力をもってすれば容易に解決策が見つかるはずなのに、自分たちのキャリアをつらい状況にさらす必要がどこにあるんだろう、と思ってしまうよ」

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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