FIAがF1パワーユニット交換規定や週末のスケジュールなどの変更を発表。次世代PU規則の公表は延期に

 

 2022年2回目の世界モータースポーツ評議会会合が、6月29日、パリで開催され、今季F1スポーティングおよびテクニカルレギュレーションにおけるいくつかの変更が承認された。パワーユニット交換、燃料温度、ウイングのたわみ検査などの規定に修正が加えられたほか、今年から金曜に実施されていたドライバー記者会見が木曜に戻された。なお、当初は今回の会合で発表されることが期待されていた2026年以降の新パワーユニット規則については、次回会合前に最終決定することを目指すということだ。

 FIAは、2022年F1レギュレーションにおける主な変更点の概要として以下を挙げた。

・タイヤテスト中の車両の制限に関するレギュレーションを改訂。

・ドライバーのイベント前の公式メディア活動のタイミングを改訂。この活動はフリープラクティス1開始予定時刻の23時間前に、2時間以内で行われる。

・リヤウイングのメインプレーンのトレーリングエッジおよびビームウイングのフレキシビリティに関するディフレクションテストについて改訂。

・気温が高いレースでは、燃料を20℃まで冷やすことが許可される。気温の基準はセッションの1時間前に取得される。

・後方の視認性が向上するよう、ミラーに関するレギュレーションを改訂。

・パルクフェルメにおいてパワーユニットを新しい仕様のものに交換することを許可するよう改訂がなされた。

・パワーユニットを一時的に修理するための規定が設けられた。

2022年F1第6戦スペインGP スタートシーン
2022年F1第6戦スペインGP スタートシーン

 燃料温度の規則は、これまでは気温より10℃以上低くなってはならないと定められていたが、技術規則第6条4.2が改訂され、気温が高い場合には燃料を20℃にすることが許され、通常は従来の規定が適用されることになった。

 ウイングのたわみ試験については、これまではリヤウイングのトレーリングエッジは2mmまでのたわみしか許されていなかったが、今後は3mmまで許される(荷重は200Nで変わらず)。ビームウイングは、これまでは60Nの荷重で5mmまでのたわみが許されていたものの、変更後は「トレーリングエッジに150Nの荷重をかけた際に3mmを超えたたわみが発生してはならない」と定められた。

 また、パルクフェルメのルールが変更され、パワーユニットのコンポーネントを新しい仕様のものに交換することが許されるようになった。さらに、パワーユニットのコンポーネントが損傷あるいは故障した際には、同一の素材または複合素材による修復の許可を求めることができる。これは局所的および最小限のもので、一時的な修復である場合に限られる。

 今季から金曜に実施されていたドライバー記者会見は、昨年までと同様の木曜日に戻されることになった。今年ドライバー会見を金曜に移した目的は、シーズンの過密スケジュールのなかでドライバーの負担を減らすことだったが、ドライバーは結局は木曜もメディア対応などをしており、プラクティスデーに会見に時間を取られることへの不満が出ていた。

 当初は、今回の世界モータースポーツ評議会会合で次世代パワーユニットのレギュレーションが発表されることが期待されていたものの、現時点でまだ確定していないことが明らかにされた。FIAは、2026年のパワーユニットレギュレーションは次回の世界モータースポーツ評議会会合(10月19日)の前に最終決定し提出されることが予定されていると述べている。それまでの間に、FIA、F1、既存のパワーユニットマニュファクチャラー、新規参入の可能性があるメーカー(アウディおよびポルシェ)の間で協議が行われるということだ。

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