サインツJr.、雨の予選で初ポールポジション! フェルスタッペン下す。角田裕毅13番手|F1第10戦イギリスGP

 

 F1第10戦イギリスGPの予選が行なわれ、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)がポールポジションを獲得した。
 現地シルバーストンは土曜日も厚い雲がサーキット上空を覆い、フリー走行3回目終了後に雨がコースを濡らし始めた。予選セッション開始時刻の現地15時を迎えると、雨脚は強まっていきコースは完全なウエットコンディションに。気温は16度、路面温度22度という状況の中、各車が続々と18分間の予選Q1に向けてインターミディエイトタイヤを履いてコースに飛び出して行った。
 各車がタイム計測を行なう時点では走行するマシンからウォータースクリーンがあがる状況となったが、残り10分を切ると雨も小康状態となり、路面は改善方向へ進んでいった。
 Q1脱落のリスクがある当落線上のドライバーの多くは、インターミディエイトタイヤの2セット目を投入し、生き残りをかけてタイム計測へ出た。
 タイムシート上位のドライバーも1セット目のタイヤのまま周回を続け、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が後続に0.7秒以上の差をつけて1分39秒129をマークしQ1トップ通過。シャルル・ルクレール(フェラーリ)とジョージ・ラッセル(メルセデス)がそれに続いた。
 アルファタウリ勢は高速コーナーが続くシルバーストンでフリー走行から苦しんでいたが、天候を味方にピエール・ガスリーが11番手、角田裕毅は13番手とQ2進出を果たした。
 ウイリアムズは、今回アレクサンダー・アルボンのマシンに大型アップデートを投入しているが、アルボンは従来型マシンで走るチームメイトのニコラス・ラティフィにわずかに交わされ、ここで脱落。ハース勢、アストンマーチン勢もQ1敗退となった。
 15分のQ2が開始されても軽い雨は続き、各車はインターミディエイトタイヤでコースイン。1周ごとに大きくラップタイムを改善していった。
 ここでもフェルスタッペンの勢いは止まらず、1分40秒655をマークしトップ。フェラーリ勢を挟むようにメルセデスのルイス・ハミルトンが2番手、ラッセルが5番手に並んだ。
 上位5台はピットへ戻った一方で、Q2序盤にタイムが出せていなかった当落線上のドライバーはアタックを続けたが、後半にかけて雨量が増えたことでタイムを上げることはできなかった。
 アルファタウリの2台は2セット目のインターミディエイトタイヤを投入したものの、ここで敗退。角田は13番手で予選を終えた。バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)やダニエル・リカルド(マクラーレン)、エステバン・オコン(アルピーヌ)も姿を消した。
 トップ3チームの下、熾烈な中団グループからQ3進出の切符を手にしたのは、ランド・ノリス(マクラーレン)やフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、周冠宇(アルファロメオ)、ラティフィの4名。チームからの放出も噂されるラティフィが、ここでキャリア初のQ3進出を果たした。
 ポールポジションを決める12分間のQ3がスタートすると、フェラーリの2台を先頭に10台のマシンがコースイン。上空は明るくなり、マシンから上がる水煙も減ったが、チームはセッション後半にかけて再び雨がやってくると踏み、序盤からタイム計測を続けた。
 アロンソが1分46秒277でトップに立つも、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)やルクレールらが上回っていく。フェルスタッペンは最初のアタックで360度スピン、2度目のアタックでコースオフと1周をまとめ上げることができなかったが、その後のアタックで1分42秒996をマークしトップに浮上した。
 マシンが周回を重ねることで再び路面は改善していき、ラップタイムも走れば走るほど上がっていく状況の中で、サインツJr.とルクレールがトップタイムを塗り替えるも、フェルスタッペンは続くアタックで1分41秒055を記録し再びトップを奪還。この時点で残り時間は1分を切っていたが、1秒単位でラップタイムが更新されていくことから、全車が最後までタイム計測を続けた。
 そのラストアタックでサインツJr.は1周をまとめ上げ、1分40秒983を叩き出す。対するフェルスタッペンやルクレールは最後の最後でタイム更新ができず、これによりサインツJr.のポールポジションが確定。F1キャリア初のポールポジション獲得となった。
 2番手フロントロウにはフェルスタッペン、2列目の3番手にルクレール、4番手にセルジオ・ペレス(レッドブル)が並んだ。
 5番手ハミルトン以下は、6番手ノリス、7番手アロンソ、8番手ラッセル、9番手周、10番手ラティフィというトップ10のオーダーだ。
 気まぐれなブリティッシュウェザーの予測は難しいが、決勝レースが行なわれる日曜日の天気予報は晴れ。予選とはまた一味違った勢力図となることだろう。
 
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