マクラーレン、今も開幕戦で抱えたトラブルの”余波”残る「開発のプランに影響」

 

 マクラーレンは、プレシーズンテストから開幕戦バーレーンGPで見舞われたブレーキ関連のトラブルが、今も尾を引いていると明かした。
 マクラーレンはカタルニアでの最初のプレシーズンテストを順調に終えたものの、バーレーンのプレシーズンテストでブレーキの冷却に関するトラブルが発生。開幕戦バーレーンGPでも、パフォーマンス面で妥協せざるを得なかった。
 このトラブルを受け、マクラーレンは上位復帰に向けたリカバリー開発プランを実施。現状、マクラーレンはアルピーヌとコンストラクターズランキング4番手を争っていることを考えると、これが功を奏したように見える。
 しかしこのプランの余波により、マクラーレンは細かく新しいパーツを持ち込むのではなく、間隔を空けてメジャーアップデートを行なうこととなったという。そのため、小刻みに新しいパーツを投入するライバルたちと、しばしばパフォーマンスの面で乖離が生じた。
 マクラーレンのテクニカルディレクターであるジェームス・キーは、アップデートの意思決定プロセスについて、初戦で起こったことをきっかけに物事が決まったと説明する。
「正直に言うと、バーレーンのような衝撃的な出来事があったときには、計画を立てなければならない」
「一旦計画を立てると、それを中止することが難しくなる。これはどのチームも強調していることだ。良いレースをすれば、自由度が広がる。でもショッキングなことがあれば、『これでいいのか?』と考えることになる。我々はそのケースにあてはまる」
「『よし、これからどうするか。このレースとこのレースが大きな一歩になる』と言わなければならないんだ」
「そして現状はまだ、その余波が残っている」
「ポツポツとアップデートを入れる方が、労働力的にも優しいし、効率的であることは間違いないと思うんだ。でも開幕戦の余波が残っていて、開発計画や明確な納期が設定された」
「チームもそれを歓迎しているようだ。本当は、もっと少しずつ進めていきたいところだが、今はそれが限界だ」
 キーは、マクラーレンが中団争いの先頭に立つレースもあれば、より苦戦するイベントもあるという勢力図の変動は、ライバルたちとアップデートのタイミングが同期していないことで説明できると考えている。
 だからこそ、フランスGPの予選でランド・ノリスがメルセデスの間に割って入ったとしても、彼は楽観視していなかったのだろう。
「このスポーツにおいて、我々の記憶力はとても短いんだ」と、彼は付け加えた。
「例えば、モナコでは僕たちはメルセデスより速かったんだ。1ヵ月か2ヵ月後には、『うわー、メルセデスと一緒だ』ってことになるんだ」
「我々はそれを経験した。でもその間に、本当に悪いレースもあったんだ。現実は、できれば少しは前進してほしいと期待していたんだと思う」
「アップデートのタイミングは、チームでそれぞれだ。例えばアルピーヌは、シルバーストンに1台分のアップデートを持ち込んだ。我々は古いスペックで何度かレースをしてから、アップデートをしたんだ。この先もシーソーのようになると思う」
 フランスGPでは、ノリスがメルセデス勢の間、5番手からスタートしながらも7位。メルセデス勢がダブル表彰台を獲得したことを考えると、物足りない結果となった。
 キーは、チームが新しいパッケージをより良く理解するために、もう少し時間が必要だと考えている。
「基本的には、我々が考えていたとおりの結果だった。まだデータを分析しているところだが、重要なのは、これで一歩前進できたということだ。より良い感触を得ることができた。それが本当に重要なことだった」
「これからは、このマシンを使いこなし、もう少し活用できるかどうか様々なサーキットで学習していかなければならない。今年は、コースの特性によってアップダウンが激しいのが問題だった」
「ハンガリーでそれができるかどうか見てみよう。ハンガリーでメルセデスと戦えるとは言わないが、カナダやバクーよりも一歩前進できているのは確かだ」
 
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