アルピーヌF1に契約トラブル。ピアストリの2023年起用を発表も本人が否定「来季彼らのもとで走ることはない」
アルピーヌF1チームは、8月2日、フェルナンド・アロンソの後任として現在リザーブドライバーを務めるオスカー・ピアストリの起用を発表したが、その約2時間後にピアストリ本人が自分はアルピーヌと契約は結んでおらず、2023年にアルピーヌでは走らないとのコメントを発表、契約状況について両者が異なる見解を持っていることが明らかになった。
7月28日にアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルが今季末でのF1からの引退を発表。それからわずか数日後の8月1日、アストンマーティンはベッテルの後任として2度のF1チャンピオンで現在41歳のアロンソと契約を結んだことを明らかにした。
アルピーヌのチーム代表オットマー・サフナウアーによると、彼らはアロンソとアストンマーティンとの契約がまとまったことをプレスリリースで知ったという。アルピーヌとアロンソは契約交渉を進めていたが、アルピーヌ側は2023年の1年契約を提示、アロンソは複数年契約を強く希望していたといわれている。
アロンソの後任は、今年アルピーヌのリザーブドライバーを務めている育成ドライバーのピアストリが有力と考えられていた。オーストラリア出身で21歳のピアストリは、2019年のフォーミュラ・ルノー・ユーロカップ、2020年のF3選手権に続き、2021年にはF2選手権でタイトルを獲得、3年連続でチャンピオンの座に就いた極めて優秀なドライバー。アルピーヌは彼を2023年にはF1にデビューさせるとして、ウイリアムズなど他チームへのレンタルも検討していた。
しかしアロンソ離脱によりシートが空いたため、アルピーヌは自らのチームで来年彼を走らせることを決め、8月2日、2023年のドライバーラインアップはエステバン・オコンとピアストリに決定したと発表した。
アルピーヌのリリースには次のように記されている。
「BWTアルピーヌF1チームは、2023年からエステバン・オコンのチームメイトとして21歳のリザーブドライバー、オスカー・ピアストリを起用することを確認する。ピアストリに対するチームのコミットメントに沿って、オスカーはレースドライバーに昇格し、来年以降フェルナンド・アロンソのシートにつくことになる」
「F1への成長の旅路の一環として、オスカーはまず、2022年シーズン初めにBWTアルピーヌF1チームのリザーブドライバーに昇格し、チームの指導と完全なる財政支援のもとで、F1への次の大きなステップに備えるため、優勝の実績を持つ2021年のアルピーヌF1カー、A521でのプライベートテスト、レースサポート、シミュレーターセッションといった集中的かつ包括的なトレーニングプログラムを受けてきた」
「アルピーヌは、エステバン・オコンのチームメイトとしての彼のF1キャリアの次なるステージを楽しみにしている」
このリリースにおいて、サフナウアー代表は次のようにコメントした。
「過去4年の協力関係を通して、彼がF1へのステップアップを果たすのに十分な能力を持つドライバーに成長するのを我々は見てきた」「(オコンとピアストリの)ふたりにより、優勝とタイトル獲得への挑戦という長期的な目標を達成するために必要な継続性を得ることができる」
しかしここにピアストリのコメントはなかった。アルピーヌのリリース発表から約2時間後に、ピアストリはSNSを通して、自分はアルピーヌと2023年の契約を結んでいないと発言した。
「僕の理解では、アルピーヌF1チームは、今日の午後、僕の同意なしに、僕が彼らのチームで来年走るというプレスリリースを発表した。これは間違っている。僕はアルピーヌと2023年の契約を結んでいない。来年アルピーヌで走ることはない」
元F1ドライバーであるマーク・ウエーバーを含むピアストリのマネージメントチームは、マクラーレンと予備契約を結んだのではないかとのうわさも持ち上がっている。マクラーレンは2023年に向けてランド・ノリスとダニエル・リカルドとの契約を結んでいるが、不振が続くリカルドとの契約を解除する道を探っているともいわれる。
しかしアルピーヌ側はピアストリとは2024年のオプションを含む2023年の契約を結んでいると断言している。ピアストリ側は異なる見解を持っていることになり、今後の展開が注目される。
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