今季で引退ベッテル、F1に持続可能なグランプリ実現のための投資を求める「収益の一部を使い、環境に優しいイベントの実現を」

 

 今季限りでF1を引退することを発表したアストンマーチンのセバスチャン・ベッテルは、F1の収益の一部を、各グランプリが持続可能なイベントとなるように再投資するべきだと主張する。
 2019年、F1は2030年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを発表。これには、輸送時のCO2排出量の削減、F1マシンでの再生可能燃料の使用、廃棄物の削減など、多岐にわたる分野が含まれていた。
 再生可能燃料は、F1の次世代パワーユニットが導入される2026年シーズンから使われる見通しとなっており、WMSCによって承認された新レギュレーションのにも記載されている。また2025年シーズンまでに、グランプリでの使い捨てプラスチックを排除し、廃棄物を再利用もしくはリサイクルすることで、イベント自体を持続可能なモノとすることも目指している。
 ベッテルは、自身が所有する歴史的なF1マシンを持続可能燃料で走らせるなど、環境問題について大きな声を上げているドライバーのひとり。そしてF1が現在の収益の一部をプロモーターに再投資することで、より環境に優しいイベントとすることを目指すべきだと主張する。
「大観衆が参加するあらゆる種類のイベントは、時代に伴う責任を果たさなければならない」
 ベッテルはeスポーツのチャンピオンシップであるワールドeXが主催するサミットでそう語った。このワールドeXは、ゼロエミッションモビリティやクリーンエネルギーを促進している団体である。
「F1には大勢の人が集まるのは明らかだ。近年、特に北米での新しいファンが増え、スポーツ自体が大きく成長したと思う」
「しかしそれに伴い、コースに行く必要がある人、彼らがコースにいる時にマネジメントする必要がある人が増えている。つまり他の大きなイベントと同様、できることはたくさんある」
「当然のことながら、人々がどうやってイベントに行くか……公共交通機関で行く人は少ない。だから、できることはたくさんあると思う」
「最終的には、F1が生み出した売上金や資金の一部を使い、プロモーターに再投資して、観衆をコントロールするより良い、より環境に優しいクリーンな解決策を選択するチャンスを与える必要がある。そしてイベント自体をコントロールするんだ」
 ベッテルは以前、現在のF1で使われているパワーユニットの技術は複雑すぎるため、市販車との関連性が低いと語っていた。しかしながら今では、F1は広く社会全体に有益な持続可能性の技術開発と繋がることで、世間に存在する問題に対峙することができると考えているようだ。
「究極的には、車を運転していても、音楽のコンサートに行ったり、他のことをしても、大きな違いはない」
「でも、それは関連性の問題に繋がる。もし僕らが、本当の意味で変化を助ける方法を見つけることができなければ、そして僕らが楽しんでいることから誰もが恩恵を受けられることに貢献し、それに伴うエンジニアリング面の革新ができたのならば、すぐにこういう疑問が出てくる。『さて、何がポイントなんだ?』というね」
「僕らはそれを愛しているから、そのことを理解している。僕らはモータースポーツの愛好家だから、その説明を受ける必要はない。でも、そういう疑問は将来出てくると思う」
「僕らが手にしている莫大な”パワー”で1周先にいられるのか……周回遅れにならないようにできるかどうかは、僕ら次第だ」
「僕らはモータースポーツに、多くのお金を投下している。でもそれには、多くの革新やエンジニアリング、そしてより良い方向に向いていくことができる力を伴う。その結果、モータースポーツに関与していない誰でも、いつの日か恩恵を受けることができるはずだ。その答えが、電気であるのか、あるいは水素やその他のものであるのかということとは関係ない」
 
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