マクラーレンでF1初ドライブの平川亮「本当に驚いた。やっぱり桁違い」気になる来季は……まさかの三刀流挑戦!?
スーパーフォーミュラ今季の最終大会、第8・9戦が行われる鈴鹿サーキットの金曜日にToyota Gazoo Racing(TGR)の会見が行われ、平川亮がマクラーレンF1でバルセロナのテストに参加したことと共に、来季のスーパーフォーミュラなどの活動について自身の希望を述べた。
F1日本GP直前に電撃的に発表された、平川のマクラーレンF1リザーブドライバー就任の発表。国内モータースポーツ界でも大きな話題となったが、その日本GPの約3週間後、スペイン、バルセロナのカタルーニャ・サーキットで平川は早速のF1初ドライブを経験することになった。
「ちょっと疲れましたけど、首は大丈夫でした。90周走って腰も大丈夫でしたが、シートが合っていなかったので腰より肩の方が痛くなりました」と、まずは感想を話す平川。
F1の規定で現行マシンの走行は禁止され、2年前以上のマシンでなければプライベートテストは認められていない。
「僕が初めてF1に乗るドライバーの慣熟用のテストで、インディのマクラーレンで乗っているパト・オワードとクルマをシェアして1日参加しました。テスト自体が2年以上前のクルマでなければ走行できないので、旧車で2021年のクルマ(MCL35M)でのテストでした。セットアップを変えるとかではなく、完全に慣熟というかクルマに慣れるためというか、F1のドライビングの練習という感じでした」(平川)
そう話す横で、同じく会見に参加していた中嶋一貴TGR-E副会長が「『人生で一番楽しかった』って言ってたよね」と平川にツッコムと、平川は顔をほころばせながら答えた。
「本当にすごい経験でした。やっぱり、完全に速く走るためだけに作られたクルマで、ここまでのレーシングカーというのはないですし、本当に驚きましたね。加速とブレーキは、やっぱり桁違いかな。加速は昔のLMP1のクルマみたいに1000馬力くらい常にある感じで、ブレーキも、ものすごくよく止まるクルマで、すごいなあと(笑)」と平川。
「最初はブレーキングで全然、(クリッピングポイントまで手前すぎて)余らせていましたね。なかなかクルマの限界を越えるのが難しくて、それくらいグリップが高いし、高速コーナーに行くとものすごくダウンフォースが増えるので、そこは慣れというか。それ以外の低速コーナーとかはすぐにマッチできるのですけど、高速コーナーとかブレーキングとかは結構、違う技術が必要でしたね。超高速コーナーは速かったですね。中速コーナーはちょっとクルマが重く感じましたけど。DRSも効かせてみましたけど、そこまで体感速度は上がらなかったですね」と、普段は無口な平川も、初めてのF1ドライブの乗り味に話が移ると、さすがに饒舌にならざるを得ないようだ。
平川で気になるは、今後のF1での役割と、そのF1を含めた来季のスケジュール。WECとF1のスケジュール、そしてヨーロッパ中心の活動となることを考えると、もしかしたら、この種末の鈴鹿がスーパーフォーミュラでの一旦卒業という形になる可能性が高い。
「スーパーフォーミュラには来季も乗りたいです。今話せるのはそれだけです。本当にF1の話が急に決まったので、いろいろと他の話が決まっていないことが多いので、一番ベストなところに行ければと思っています。F1の話は思ってもいなかったビッグチャンスなので、自分としてはそこを最優先したいという気持ちはあります」と、平川。
「スーパーフォーミュラのマシンに乗るのは(F1やハイパーカーに乗る)いい練習になることは間違いないので」と付け加える。
師匠でもあるITOCHU ENEX TEAM IMPULの星野一義総監督からは「『もうお前は行ってこい』、『戻ってくるな』という感じですね」と言われている平川。本人的にはF1、WEC、SFの三刀流とも言える挑戦をしたい意向だが、果たして来年の平川はどんな活動になるのか。いずれにしても、今週末のスーパーフォーミュラ最終イベント、そしてその翌週のWEC最終戦バーレーンは、今季の平川の一旦の集大成となりそうだ。
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