重量問題に悩み続けたレッドブルF1、軽量化された新シャシーを導入へ。メルセデスは予算制限により断念
レッドブル・レーシングは、2022年F1後半戦に軽量化されたシャシーを持ち込む予定だ。新シャシーの設計・製造には多額の費用がかかるが、これによりタイムを0.2秒削れる可能性があるとみられる。
新世代F1マシンが導入された今年、マシンの重量は46kg引き上げられた。主な要因は安全対策の強化、タイヤが13インチから18インチに変更されたことなどだ。しかし各チームはマシンの最低重量に近づけることに非常に苦労しており、当初、最低重量を下回り、バラストで調整することができたのは、アルファロメオのみだった。その後、アルファロメオを除く9チームの賛成によって、最低重量は795kgから798kgに引き上げられた。
しかしレッドブルのマシンはその数値を大幅に上回っていた。開幕時点でRB18の重量は812kgだったが、さまざまな努力により806kgにまで削減されたと、チーム関係者は語っている。そして、これ以上減らすためには、新しいモノコックを導入するほかないところまできた。チーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイは、アストンマーティンやウイリアムズのように、新しいモノコックを設計し、ホモロゲーションを受けることを決断、新モノコックは従来のものよりも重量が5、6kg軽いと考えられている。
しかし、新しいモノコックを設計し、スペアを含めた3台を製造するには、多額の費用がかかる。それもあり、レッドブルは予算上限の引き上げのために戦ってきたのだろう。
今、最も重量の重いマシンであると思われるのはメルセデスW13であるが、チーム代表トト・ウォルフは、軽量化のためにモノコックを新たに設計・製造する可能性を否定している。
「それにはあまりにも費用がかかりすぎる。クラッシュテストを受ける必要があるし、新シャシーは3台作らなければならない。そうなると約200万ドル(約2億7000万円)かかってしまう。そのため、我々のようにバジェットキャップの上限ぎりぎりのところにいるチームにとっては、選択肢にはならない」
レッドブルの新モノコックがFIAが義務化しているクラッシュテストにすでに合格したのかどうかは明らかになっていないものの、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスは次のベルギーGPで軽量化されたモノコックを使用する予定であるともいわれている。重量が6kg減れば、1ラップあたり0.2秒のゲインになると推定されており、フェラーリとタイトルを争っているレッドブルにとって、非常に大きなアドバンテージになるだろう。
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