アルピーヌF1に先見の明。インフレとエネルギー価格高騰に対処するための”先行投資”が、今季の積極的アップデートに繋がる

 

 アルピーヌF1は、今季用マシンA522に積極的な開発を施し、ここまで高いパフォーマンスを発揮し続けている。これについてアルピーヌのチーム代表であるオットマー・サフナウアーは、現在世界中が悩まされているインフレやエネルギー価格の高騰に、チームとして早々に対処することができたからだと明かす。
 今季のアルピーヌは、フェルナンド・アロンソとエステバン・オコンが安定してポイントを獲得し、シーズン前半を終えた段階でコンストラクターズランキング4番手につけている。
 彼らの成績を後押ししている要因のひとつは、マシンに積極的なアップグレードを施したことだと言える。
 今シーズンは多くのチームが予算制限により支出とリソースの配分に苦しみ、例年のようなアップデートを投入できずにいる。しかも世界的なインフレと、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の上昇が、それに拍車をかけた。
 そんな中でもアルピーヌは、スタッフのレベル向上のために人員を積極的に採用し、アップデートを細かく投入している。それが効果をもたらしているのだ。
 アルピーヌのチーム代表であるオットマー・サフナウアーによれば、ロシアのウクライナ侵攻受け、電気や化石燃料の価格が上がると予想し、可能な限り多くのエネルギーを事前に購入。高騰の影響を最小限に抑えることができたため、積極的なアップデートが可能になっているという。
「早い段階でエネルギーを確保したことで、何百万ドル(数億円)も節約することができた」
 サフナウアー代表はmotorsport.comに対してそ語った。
「このことはおそらく、いくつかの優れた戦略的な決定によって行なわれた。組織内の財務担当者の何人かは、インフレがものすごく早いスピードで進んでいるのを見て、現在よりもはるかに安い価格で、将来的に使う予定のモノを早期に確保するといういくつかの良い判断をした」
「それは今年の助けになった。でも、それは今年1年に限ってのことだ」
「しかし構造的な面でも、我々は他のチームとは少し異なる構造になっているため、予算上限下では、他チームよりもうまくいっていると思う」
「これのおかげで予算が上限を超えることを心配することなく、さらに75人を雇用するという余裕ができた。これは素晴らしいことだし、良い立場につくことができた」
 なお夏休み前には、インフレやエネルギー価格の高騰に伴い、予算上限額が引き上げられた。これにより、アルピーヌは自由に使える予算を手にできることになったという。
「今年の予算上限は、430万ドル(約6億円)増やされることになった。来年も同じ額になると思う」
 そうサフナウアー代表は言う。
「したがって来年は1億3500万ドル(約185億円)と予定されていた予算上限は、1億4100万ドル(約193億円)〜1億4500万ドル(約198億円)の間になるだろう。それがチームにいくらかの余裕をもたらしてくれるはずだ。ただ、それほど前もって対処していたわけではないため、来年は来年の価格で購入したモノを使うことになるだろう」
「実際にインフレがどれほどコスト上限に食い込むことになるのかについては、理解する必要がある。しかし100%は把握できていない。その次に、その”余裕”を使い果たすまでに、どのくらいの”余裕”が残っているのかを理解しなければならない。それが、我々がやっていることなんだ」
 
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