F1第14戦木曜会見:リカルド「うまくいかないことを受け入れなければならない時もある」来季は休暇の可能性も否定せず
F1の夏休みが明け、第14戦ベルギーGPが開催される直前のタイミングで、ダニエル・リカルドのマクラーレン離脱が発表された。2023年末までの契約を反故にしてまで、マクラーレンがリカルドを放出した形だ。翌日の木曜定例会見では、当然ながらリカルドに質問が集中した。
Q:ダニエル、あなたが今シーズン限りでマクラーレンを去るというニュースが、昨日流れました。どのような経緯でそうなったのか? また、それについてどう感じていますか?
リカルド:明らかに、チームに参加したときに僕たちが望んでいた結果ではなかった。チーム全体として、うまくいかなかったということだね。僕たちは多くの努力を払って、クルマのことを理解しようとしたし、僕自身もクルマと調和して最大限の力を引き出そうとした。でも、明らかに苦戦する週末が多すぎた。だから、このような決断になったということだ。
Q:今の思いは?
リカルド:もちろん、最高の気分とは言えないよ。でも自分の力を発揮して、すべてを注ごうとしているという点では、僕は胸を張っていられる。トライしたけどうまくいかない、そんなことを受け入れなければならない時もある。でも決して、怠けていたからこんな結果になったわけじゃない。こんなはずじゃなかったという思いもあるかな。
淡々と質問に答えるリカルド。笑顔は浮かべているものの、いつもの快活さはなく、自分のなかでもまだ完全には折り合いがつけられていない感じだ。
Q:今後、どうするつもりですか? とにかくF1にとどまりたい?
リカルド:僕は今でもこのスポーツを愛しているし、今回のような、逆境と呼んでもいい状況でも、自分に対する自信は失ってないと思っている。確かに厳しい週末もあったし、感情を表に出さずにはいられないこともあった。でもやっぱりこのスポーツが好きだ。とはいえ、ただ数をこなすだけのドライバーにはなりたくない。何か目的があってここにいたいんだ。
Q:もし来年、適切な機会が訪れない場合、あらゆる種類のレースから離れるサバティカル休暇もありうる?
リカルド:それが意味があることならね。現段階では、F1しか興味がない。もし来年も完璧に意味がなく、リセットや再評価のために休暇を取ることが正しいことであるなら、僕は喜んでそうするだろうね。
リカルドがマクラーレンから離脱した場合、すぐに古巣のアルピーヌに復帰して、フェルナンド・アロンソの抜けた穴を埋めるとみられていた。しかし「来季の休暇もありうる」というコメントを聞く限り、少なくとも現時点ではその可能性は低そうだ。
今回のマクラーレンの決定に対し、同席したドライバーからは励ましの声が相次いだ。
Q:チェコ、あなたも過去にダニエルと同じように、翌年はどこでレースをするかわからないという立場に置かれていました。このニュースをどう受け止めていますか? また、ダニエルにアドバイスできることはありますか?
セルジオ・ペレス:確かに僕も以前、そのような状況に陥ったことがある。でもそれが僕たちドライバーにとっての人生であり、僕たちがやりたいことだ。もちろんたまには腰を落ち着けて、休暇を楽しむのもいいと思う。次に何が起ころうとも、ダニエルなら素晴らしい存在になれると信じているからね。これまでの素晴らしいキャリアを築いてきたダニエルだからこそ、きっとふさわしい機会を見つけることができると思う。
Q:セバスチャン、あなたの引退がきっかけとなって、ドライバー市場にちょっとしたドミノ効果を起こしたわけですが。
セバスチャン・ベッテル:僕はもしかしたら、F1ドライバーたちに共感しすぎているのかもしれない。でもダニエルに何が起こったのかを聞いて、とても悲しくなったよ。とてもとても難しい状況だと思う。彼はまだ最高のドライバーのひとりだ。彼とはレースで対戦したこともある。一緒にレースができる喜びと、何年か前に彼に負けたというあまり楽しくない思い出もある。でもダニエルとは、まだとても多くのことを共有できると思っている。詳しいことはわからないけど、マクラーレンはダニエルの持っているポテンシャルを引き出すことに失敗したんだと思う。こんなふうに彼が困難な立場に置かれているのを見るのは、悲しいことだ。でも、僕は今後の成功を願っているし、最終的に才能や資質が輝くと確信しているよ。
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