F1分析|1ストップ作戦が完遂できていれば、ハミルトンに勝機はあったのか? オランダGP決勝レースペース分析

 

 2022年のF1第15戦オランダGPは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。フェルスタッペンはこれで4連勝、シーズン10勝目と圧倒的な強さを見せている。ドライバーズランキングでも後続に100ポイント以上の差を築き、もはや盤石といった状況だ。
 前回のベルギーGPでは、パワーユニット交換によるグリッド降格ペナルティがあったにも関わらず、それを物ともせず圧勝したフェルスタッペン。しかし今回のオランダGPは楽勝とはいかなかった。一歩間違っていれば、ライバルに勝利を奪われるところだったのだ。しかもそのライバルというのが、今シーズンを通じてレッドブルと優勝を争っていたフェラーリではなく、メルセデスだったというのが驚きだった。
 今回の決勝レース、フェルスタッペンはポールポジションからソフトタイヤを履いてスタート。一方のメルセデス勢は、ミディアムタイヤをスタートタイヤに選んだ。
 フェルスタッペンは当初、フェラーリのシャルル・ルクレールをライバルと目してレースを進めていた。そのため、ルクレールがデグラデーションに苦しみ、17周目にピットストップしたのに反応する形で、翌18周目にピットイン。ルクレールの前をキープすることに成功した。
 しかしメルセデス勢は、ミディアムタイヤで第1スティントを伸ばしに伸ばした。しかもミディアムタイヤのデグラデーションはほとんど見られず、ルイス・ハミルトンは29周もの距離を走り切ってピットに飛び込んだ。ラッセルは31周だ。
 しかもメルセデス陣営がこのピットストップでふたりの陣営に履かせたのはハードタイヤだった。ハードタイヤは、金曜フリー走行の時点ではソフトとミディアムに対してパフォーマンス面で大きく劣るとされていたため、各チームが敬遠していたのだ。しかしそれでも、メルセデスはこのタイヤを履くことを選んだ。
 このハードタイヤを履いたのは、何もメルセデス勢だけではなかった。これ以前にもアルピーヌのフェルナンド・アロンソがこのハードタイヤを履く、変則的な2ストップ作戦を採用していた。ハードタイヤを選んだアロンソのペースは優れており、堅実なレースを進めていた。しかもアロンソは、金曜FP2で唯一ハードタイヤでのロングランを行なったドライバーだったのだ。
 メルセデスのハードタイヤでのレースペースも実に優れていた。下記のグラフを見ていただくと一目瞭然だ。

F1オランダGP決勝レースペース推移グラフ
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