マシンセットアップは乗り心地優先か、グリップ優先か。オコン、F1シンガポールGPで「誰が何を選ぶのか」に注目

 

 アルピーヌのエステバン・オコンは、今週末のF1第17戦シンガポールGPが手ごわいものになると予想しているという。コースのバンピーな性質から、今年のF1マシンは大きな影響を被ると予測しているのだ。

 新型コロナウイルスのパンデミックにより2020年と2021年はレースが中止になったため、F1がマリーナベイ・ストリート・サーキットへ行くのは2019年以来のこととなる。オコンは2019年はF1でレースをしていなかったが、それまでに3回の出走経験があり、2017年には当時のフォースインディアで入賞を果たしたが、2018年はクラッシュによりリタイアを喫した。

エステバン・オコン(フォースインディア)
2017年F1シンガポールGP エステバン・オコン(フォースインディア)

「シンガポールは大好きだけれど、コース自体は僕の好みではない」と今週オコンは語った。「縁石に乗り上げたゴーカートのようなもので、トリッキーになるだろうね」

「すごくバンピーだろう。カナダもかなりひどかったが、おそらくここは最悪なところのひとつだと思う。前からそうなんだ。目新しいことではない」

「僕たちにとって、体力的に本当に大きな挑戦になると思う。楽しいものにはならないよ。でも僕たちは挑戦への準備はできている」

「セットアップの観点からは、誰が何を選ぶのか興味深い。乗り心地のいいマシンにするか、グリップのあるマシンにするかだ」

エステバン・オコン(アルピーヌ)
2022年F1第16戦イタリアGP エステバン・オコン(アルピーヌ)

■ラッセルはW13が「バンプに弱い」と警戒も、進むべき方向性は明確に

 オコンにとって今週末は106回目のグランプリ出走になるが、チームメイトのフェルナンド・アロンソはキミ・ライコネンがこれまで保持していた出走回数記録349回に並んでおり、この記録を塗り替えようとしている。

 それに比べれば、メルセデスのジョージ・ラッセルはまだ新人にすぎない。しかし直近のイタリアGPで表彰台フィニッシュを飾ったラッセルは、シンガポールでチームが好結果を出すチャンスについてより自信を感じている。

「理論的には、シンガポールは僕たちのマシンと相性がいいはずだ」とラッセルは語った。

「でもモナコやアゼルバイジャンなどのストリートサーキットを振り返ってみると、僕たちのマシンはバンプに弱い」

「だからどのような展開になるか分からない。でも僕たちはプッシュし、マシンの改善を続ける必要がある。今、進むべき方向性が明確になっているのはうれしいことだ」

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2022年F1第16戦イタリアGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 メルセデスのテクニカルディレクターを務めるマイク・エリオットは、今シーズンこれまでのコースのなかで、シンガポールはW13とより相性が合う可能性があることを認めた。

「シーズンを通じて我々が学んできたことを振り返ると、シンガポールはブダペストやザントフォールトなどで目にしてきた状況のようになると思う」とエリオットは述べた。

「ここはバンピーなコースで、独自の挑戦を投げかけてくるだろう。だがコーナーの性質に関しては、我々のマシンと多少は相性がいいだろうと考えているので、よい結果が出ることを期待している」

「いつものように必要な事前シミュレーションを行い、フリー走行で学習したことを最大限に活かし、それが週末の好結果へとつながることを願っている」

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