2022年F1日本GPに向け、31回行われた鈴鹿での歴代ポールシッターと優勝、タイトル決定者を振り返る
いよいよ3年ぶりに鈴鹿サーキットに戻ってきたF1日本GP。2022年からの新型レギュレーションのマシンにとって初めてのレース、鈴鹿を絶賛するセバスチャン・ベッテルのF1ラストラン、そしてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のチャンピオンが決定するかもしれないなど、かなり見どころの多いレースになりそうだ。
ここでは、そんな2022年F1第18戦日本GPに向け、これまで鈴鹿サーキットで31回開催されてきたF1日本GPの歴代ポールシッターと優勝者、ファステストラップ記録ドライバー、そして“鈴鹿でタイトルを決めた”ドライバーを振り返る。(2007~2008年に富士スピードウェイで開催されたレースは除く/各記録は編集部調べ)
■鈴鹿で開催されたF1日本GPでポールポジションを獲得したドライバー
まずは、これまで31回鈴鹿サーキットで開催されたF1日本GPでポールポジションを獲得したドライバーをおさらい。初開催となった1987年にはゲルハルト・ベルガー(フェラーリ)が1分40秒042でポールを獲得しているが、その後はアイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)が3年連続でポールを奪っている。
1990年代中盤はミハエル・シューマッハーが速さをみせ鈴鹿最多ポールシッターとなる通算7回を記録。2009~2013年はセバスチャン・ベッテルが4年連続ポールを奪い、その後のパワーユニット時代はメルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが5年連続ポールながら、前回となる2019年はフェラーリのベッテルが日曜午前に行われた予選でポールを奪った。このときに記録された1分27秒064が現在までのコースレコードとなっている。
開催年 | ドライバー | チーム | タイム |
---|---|---|---|
1987 | ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1’40.042 |
1988 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1’41.853 |
1989 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1’38.041 |
1990 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1’36.996 |
1991 | ゲルハルト・ベルガー | マクラーレン・ホンダ | 1’34.700 |
1992 | ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ルノー | 1’37.360 |
1993 | アラン・プロスト | ウイリアムズ・ルノー | 1’37.154 |
1994 | ミハエル・シューマッハー | ベネトン・フォード | 1’37.209 |
1995 | ミハエル・シューマッハー | ベネトン・ルノー | 1’38.023 |
1996 | ジャック・ビルヌーブ | ウイリアムズ・ルノー | 1’38.909 |
1997 | ジャック・ビルヌーブ | ウイリアムズ・ルノー | 1’36.071 |
1998 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’36.293 |
1999 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’37.470 |
2000 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’35.825 |
2001 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’32.484 |
2002 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’31.317 |
2003 | ルーベンス・バリチェロ | フェラーリ | 1’33.237 |
2004 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’33.542 |
2005 | ラルフ・シューマッハー | トヨタ | 1’46.106(ウエット) |
2006 | フェリペ・マッサ | フェラーリ | 1’29.599 |
2009 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1’32.160 |
2010 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1’30.785 |
2011 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1’30.466 |
2012 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1’30.839 |
2013 | マーク・ウエバー | レッドブル・ルノー | 1’30.915 |
2014 | ニコ・ロズベルグ | メルセデス | 1’32.506 |
2015 | ニコ・ロズベルグ | メルセデス | 1’32.584 |
2016 | ニコ・ロズベルグ | メルセデス | 1’30.647 |
2017 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1’27.319 |
2018 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1’27.660 |
2019 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1’27.064 |
■鈴鹿で開催されたF1日本GPでファステストラップを記録したドライバー
続いて紹介するのは、レース中の最速タイムとなるファステストラップを記録したドライバーだ。ここでもミハエル・シューマッハーは速さをみせ、1995、1998、1999、2022年という4レースで最速タイムを記録して鈴鹿最多ファステストラップドライバーになっている。
続く3回はアラン・プロスト、マーク・ウエバー、セバスチャン・ベッテル、ルイス・ハミルトンが続き、このうちベッテルとハミルトンにおいては、今回の日本GPでファステストラップを記録すればミハエル・シューマッハーと最多タイとなる。
開催年 | ドライバー | チーム | タイム |
---|---|---|---|
1987 | アラン・プロスト | マクラーレンTAG | 1’43.844 |
1988 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1’46.325 |
1989 | アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1’43.506 |
1990 | リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1’44.233 |
1991 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1’41.532 |
1992 | ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ルノー | 1’40.646 |
1993 | アラン・プロスト | ウイリアムズ・ルノー | 1’41.176 |
1994 | デイモン・ヒル | ウイリアムズ・ルノー | 1’56.597(ウエット) |
1995 | ミハエル・シューマッハー | ベネトン・ルノー | 1’42.976 |
1996 | ジャック・ビルヌーブ | ウイリアムズ・ルノー | 1’44.043 |
1997 | ハインツ-ハラルド・フレンツェン | ウイリアムズ・ルノー | 1’38.942 |
1998 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’40.190 |
1999 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’41.319 |
2000 | ミカ・ハッキネン | マクラーレン・メルセデス | 1’39.189 |
2001 | ラルフ・シューマッハー | ウイリアムズBMW | 1’36.944 |
2002 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1’36.125 |
2003 | ラルフ・シューマッハー | ウイリアムズBMW | 1’33.408 |
2004 | ルーベンス・バリチェロ | フェラーリ | 1’32.730 |
2005 | キミ・ライコネン | マクラーレン・メルセデス | 1’31.540 |
2006 | フェルナンド・アロンソ | ルノー | 1’32.676 |
2009 | マーク・ウエバー | レッドブル・ルノー | 1’32.569 |
2010 | マーク・ウエバー | レッドブル・ルノー | 1’33.474 |
2011 | ジェンソン・バトン | マクラーレン・メルセデス | 1’36.568 |
2012 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1’35.774 |
2013 | マーク・ウエバー | レッドブル・ルノー | 1’34.587 |
2014 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1’51.600(ウエット) |
2015 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1’36.145 |
2016 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1’35.118 |
2017 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1’33.144 |
2018 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1’32.318 |
2019 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1’30.983 |
■鈴鹿で開催されたF1日本GPの優勝ドライバー
そしていよいよ歴代優勝ドライバーを振り返りたい。ミハエル・シューマッハーはさすが“皇帝”と呼ばれただけあり、これまで1995、1997、2000、2001、2002、2004年のレースを制し鈴鹿通算6勝、現在までの最多鈴鹿F1優勝ドライバーに輝いている。続く4勝にはファステストラップ同様にこちらもベッテルとハミルトンがつけているが、両ドライバーとも今回のレースで優勝してもミハエルには届かない。
なお、今季のチャンピオン争いを繰り広げているレッドブルとフェラーリに関して言うと、フェルスタッペンとシャルル・ルクレール(フェラーリ)、そのチームメイトであるセルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)の4名は鈴鹿で勝利を経験しておらず、4名のうち誰が勝っても“鈴鹿初勝利”を飾ることになる。
開催年 | ドライバー | チーム | グリッド |
---|---|---|---|
1987 | ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1 |
1988 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1 |
1989 | アレッサンドロ・ナニーニ | ベネトン・フォード | 6 |
1990 | ネルソン・ピケ | ベネトン・フォード | 6 |
1991 | ゲルハルト・ベルガー | マクラーレン・ホンダ | 1 |
1992 | リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 2 |
1993 | アイルトン・セナ | マクラーレン・フォード | 2 |
1994 | デイモン・ヒル | ウイリアムズ・ルノー | 2 |
1995 | ミハエル・シューマッハー | ベネトン・ルノー | 1 |
1996 | デイモン・ヒル | ウイリアムズ・ルノー | 2 |
1997 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 2 |
1998 | ミカ・ハッキネン | マクラーレン・メルセデス | 2 |
1999 | ミカ・ハッキネン | マクラーレン・メルセデス | 2 |
2000 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1 |
2001 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1 |
2002 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1 |
2003 | ルーベンス・バリチェロ | フェラーリ | 1 |
2004 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ | 1 |
2005 | キミ・ライコネン | マクラーレン・メルセデス | 17 |
2006 | フェルナンド・アロンソ | ルノー | 5 |
2009 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1 |
2010 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1 |
2011 | ジェンソン・バトン | マクラーレン・メルセデス | 2 |
2012 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 1 |
2013 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー | 2 |
2014 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 2 |
2015 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 2 |
2016 | ニコ・ロズベルグ | メルセデス | 1 |
2017 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1 |
2018 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1 |
2019 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 3 |
■鈴鹿で開催されたF1日本GPでチャンピオンを決めたドライバー
最後にこの鈴鹿で開催されたF1日本GPでドライバーズチャンピオンを決めたドライバーを紹介。“鈴鹿で開催された”と限定すると1987年から11名のドライバーがこの場所でチャンピオンを決めている。2022年もフェルスタッペンのタイトルが決定する可能性があり、もし決まれば2011年ベッテル以来の鈴鹿でチャンピオンを決めたドライバーになる。
そのほかにも“日本で開催されたF1レースでチャンピオン決めた”ドライバーを加えると、1976年に富士スピードウェイで行われたF1世界選手権イン・ジャパンでドライバーズチャンピオンに輝いたジェームス・ハント、1995年にTIサーキット英田(現在の岡山国際サーキット)で開催されたパシフィックグランプリでタイトルを決めたミハエル・シューマッハーがいるが、この錚々たるメンバーにフェルスタッペンは加わるのか、2022年のF1日本GPに注目したい。
開催年 | ドライバー | チーム |
---|---|---|
1987 | ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ |
1988 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ |
1989 | アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ |
1990 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ |
1991 | アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ |
1996 | デイモン・ヒル | ウイリアムズ・ルノー |
1998 | ミカ・ハッキネン | マクラーレン・メルセデス |
1999 | ミカ・ハッキネン | マクラーレン・メルセデス |
2000 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ |
2003 | ミハエル・シューマッハー | フェラーリ |
2011 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル・ルノー |
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