ラッセルがFP2最速。角田裕毅は2番手タイムもタイヤテストで”真の速さ”は雲隠れ|F1メキシコシティGP

 

 エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台にF1第20戦メキシコシティGPのフリー走行2回目が行なわれ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がトップタイムを記録した。
 気温25度、路面温度39度というコンディションの中、来季用プロトタイプタイヤのテストにより1時間30分と通常よりも30分拡張されたFP2が開始された。フリー走行1回目では晴天だったが、FP2では雲がサーキット上空を覆っており、FP1で50度近かった路面温度は大きく下がっていた。
 FP1でルーキードライバーにマシンを譲ったラッセルやエステバン・オコン(アルピーヌ)、角田裕毅(アルファタウリ)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)はセッションの冒頭45分に通常タイヤでの走行が許可されたが、その他のドライバーは90分間全てをピレリが指定したプログラムに沿って走行を行なった。
 ハースのケビン・マグヌッセンはルーキー枠のピエトロ・フィッティパルディにFP1でマシンを譲ったが、FP1でパワーユニット(PU)にトラブルが発生したため内燃エンジン(ICE)交換。FP2は遅れての出走となったことで、最初からプロトタイプタイヤを履いた。
 セッションはまず、ミディアムタイヤを履くラッセルがトップとなる1分21秒742をマーク。角田がそれに次ぐ2番手タイムを記録していたが、プロトタイプタイヤのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がふたりを上回った。プロトタイプタイヤのコンパウンドについての詳細は明かされていないが、同じくタイヤテストが行なわれたアメリカGPに持ち込まれたモノよりも柔らかいコンパウンドだという。
 ラッセルや角田、オコンはミディアムタイヤからソフトタイヤへと切り替え、ラッセルが1分19秒970で再びトップタイムに立ち、角田とオコンもそれに続く中、テストを行なうドライバーはプロトタイプタイヤ1セット目の走行を5周終えると、2セット目のプロトタイプタイヤへと切り替えていった。
 セッションが30分を経過し、早くも角田はプロトタイプタイヤへと切り替える。しかしシャルル・ルクレール(フェラーリ)がターン10でスピンを喫し、リヤからターン11のバリアに激しくヒット。FP1ではフェルスタッペンもターン10で同様のスピンを喫しており、グリップの低さはFP2でも続いているようだ。
 ルクレールのクラッシュにより、コース上にはレッドフラッグが提示。マシン回収とバリア修復によって20分近くの中断となったものの、残り38分というところでピットレーン出口のシグナルがグリーンに。各車は続々とユーズドタイヤでの走行を再開した。
 各車はセッション再開後は1分24秒〜25秒前後のタイムでロングラン実施。ラッセルを始めプログラムが異なるドライバーはここで2セット目のプロトタイプタイヤを投入し、1分22秒台から周回を重ねた。
 終始プロトタイプタイヤ中心のセッションとなったものの、各車は最終盤まで精力的に走行を継続。残り1分30秒というところでは、FP1でもトラブルに見舞われた周冠宇(アルファロメオ)がスタジアムセクションでマシンを止めたことで、初日4度目のレッドフラッグが振られてFP2は終了となった。
 ドライバーのほとんどがプロトタイプタイヤの走行プログラムに徹したため、今回のリザルトが絶対的な意味を持つ訳ではないが、トップタイムはラッセル。角田とオコンがそれに続き、序盤で通常タイヤにて走行を行なうことができた3名がタイムシートのトップ3に並ぶこととなった。
 一方、プロトタイプタイヤで最速となったのはメルセデスのルイス・ハミルトン。タイムは1分21秒509で、レッドブル勢やフェラーリ勢を上回る形となった。データ収集のため、燃料搭載量などマシン条件が揃う中で、高地に位置するが故に空気抵抗の多いマシンの弱点が薄れるとして好成績が見込まれるメルセデスとしても、この結果は今週末に向けて良い兆しと言えよう。
 5番手セルジオ・ペレス(レッドブル)以下は、フェルスタッペン、ルクレール、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)というトップ10だった。
 
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