戦略責任者ボウルズの離脱に備えてきたメルセデスF1。代表は「突如チームが弱体化することはない」と主張
メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ウォルフは、チーフストラテジストのジェームズ・ボウルズが退任しても、その職務を継承する計画を数年前から既に実施済みなので、メルセデスが弱体化することはないと述べた。
1月13日、ウイリアムズ・レーシングはヨースト・カピートの後任として、ボウルズをチームの新代表に迎えると発表した。ボウルズはF1世界チャンピオン常勝チームであるメルセデスF1に長く在籍し、過去4シーズンにわたってチーフストラテジストを務めてきた。
この移籍はウイリアムズにとっては躍進のチャンスを意味するが、メルセデスにとって毎週末のレース運営に影響が及ぶことはないだろう。ウォルフが明かしたところでは、ボウルズは既に2022年シーズンの時点でチーフストラテジストから一歩引いたポジションにおり、それ以外の若手ドライバー育成プログラムといった職務でも権限を他に委譲していた。
「穴は残されていない。というのは、もう何年も彼の後継問題については話し合ってきたからだ」とウォルフは金曜日、メディアに語った。
「我々はジェームズの存在に頼ってきた部分が大きい。そこで数年前から、もし彼がメルセデス内外で何か新しいことに挑戦すると決めたら、チームにどう影響が及ぶかということを真剣に考え始めた。ジェームズはこの件についてとてもうまく対処してくれた」
「チームには戦略立案に秀でた人材がたくさんいる。9人いて、必ずしも前線には出てこないが経験豊富なメンバーや、チーム内で育ってきたメンバーもいる」
「この半年間、彼らは自分たちだけで戦略の舵取りを行ってきた。しかもそれ以前から、ジェームズはただ監督だけを行う立場だった」
「だから、体制を維持しながら前進できると確信している。突如としてチームが弱体化するといったことはない」
ウォルフは、ルイス・ハミルトンにボウルズの退任について今週前半に話したと明かした。ハミルトンはその知らせを聞いて肯定的な反応を示し、新たな道に進むボウルズの決断を祝福したという。
「ついにその時が来たと今週彼に話した。彼はまったく平静だったよ。彼にとって、ジェームズと仕事をするのは非常にうれしいことだった」
「毎週日曜朝の頭を使う打ち合わせなど、ジェームズとのやり取りをいつも楽しんでいた。知らせを聞いてハミルトンがまず発した言葉は、『ジェームズにとって素晴らしいことだ』だった。これは重要な一言だと思う」
ボウルズも、ハミルトンが新しいキャリアでの前途を祝福してくれたと認めた。
「昨晩彼に電話したところ、その通りの言葉がまず彼の口から出てきたよ」とボウルズは述べた。
「私を罵るとか、失望したと言ってくるとか、そうしたことはまったくなかった。むしろその正反対だった」
「実際、メルセデスのそこかしこで、私が話したほぼ全員が、信じられないくらいに祝福してくれた。私は恵まれていると思う」
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