2024年の技術規定までクリア済み。アルファロメオ、新車『C43』で”半”ブレード型ロールフープを採用した理由を明かす

 

 ザウバーを母体とするアルファロメオF1チームは、2月7日(火)に本拠地を置くスイス・ヒンウィルにて2023年シーズン用マシン『C43』を発表した。
 ニューマシンのロールフープは、昨年の『C42』で採用されていたブレード型を発展させたモノだ。他のチームが半円型や三角形のロールフープを採用する中でアルファロメオはブレード型をC42に採用し、左右にインダクションポッドを配置した。
 ただ、1本の構造物からなるブレード型のロールフープは2022年シーズン限りで禁止。そこでアルファロメオは2023年のC43で、これまでのロールフープ後方に半円型のカウルを被せたようなロールフープを採用し、インダクションポッドが4口に増えた。
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 今回の変更についてアルファロメオのテクニカルディレクターであるヤン・モンショーは2024年を見越した判断だと語っている。
 ブレード型のロールフープが注目を集めたキッカケは、2022年シーズンのイギリスGP決勝レースで、アルファロメオの周冠宇が他車との接触によって喫した大クラッシュだ。
 アルファロメオはFIAの認可を受けたブレード型ロールフープを採用していた唯一のチームだったが、イギリスではマシンが裏返った際にそのロールフープが地面との衝撃に耐えきれずに折れるという事態に発展した。
 幸い周に大きな怪我はなかったものの、このクラッシュを受けてFIAは全F1チームが参加する技術諮問委員会を3度に渡り開催。調査を行なった。
「現在のレギュレーションの書き方では、意図したよりも低い位置にエネルギーがかかるロールフープでも、ホモロゲーションを取得することが可能だ。これにより、ロールフープがレギュレーションで想定されているよりも低い位置でエネルギーを吸収せざるを得なくなる、ということに繋がる」
 FIAによる報告ではそう結論が記されている。
 2023年に向けてFIAは「アクシデント時、地面に食い込む可能性を低減するためにロールフープ上部を丸くすることを義務付ける変更」と「ホモロゲーションテストの適用点で最低限の高さを確保する変更」、「荷重がロールフープを前方向に押す新たな物理ホモロゲーションテストの作成」を正式に義務付けた。
 FIAはさらに、2024年に向けてより厳しい荷重テストを導入すると認めており、チームが新たな要件に対応するための充分な時間を確保すると明かしている。

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