「F1は誰の発言も禁じない」ドメニカリCEO、ドライバーの発言を取り締まるFIAに対しF1の方針を明言

 

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、ドライバーの政治的発言を取り締まるFIAに対し、F1は「誰の言論の自由も奪うことはしない」と主張した。

 FIAは最近、国際スポーツ法典を改正し、ドライバーがFIAの事前の承認なしに「政治的、宗教的、個人的声明」を表明または掲示することを禁じる条項を追加した。この動きは、F1の基盤を利用して社会的不正や不平等について世間の注意を喚起することが多いルイス・ハミルトン(メルセデス)を特に狙った、検閲の取り組みと見る向きが多い。

 しかしすべてのドライバーはみな、FIAの施策に懸念を抱いている。これまでのところハミルトンはまだFIAの姿勢に言及していないが、F1の冬期休暇が終わり、ドライバーたちは次第に表に出てこの論争についてのそれぞれの見解を表明するようになっている。先週ニューヨークで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がFIAの決定について「少しやりすぎだ」と延べ、アルファロメオのバルテリ・ボッタスもあらゆる形の検閲に反対するとした。また、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンも同様の見解を示した。

2020年F1第9戦トスカーナGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ブレオナ・テイラーさんを殺害した警官への抗議の意向を示すTシャツを着用
2020年F1第9戦トスカーナGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ブレオナ・テイラーさんを殺害した警官への抗議の意向を示すTシャツを着用

 そしてドメニカリも、『The Guardian』に掲載されたインタビューのなかで同様の発言をした。

「F1は誰の発言も禁じることはしない」とドメニカリは語った。

「誰もが話したいと思っているのだから、正しい方法で言いたいことを言える基盤があることが好ましい。我々のスポーツはますますグローバルで多文化かつ多くの価値観を包有するものになっているのだから、大きな機会があるということだ」

「我々は20人のドライバー、10のチーム、そして多くのスポンサーと話をしている。彼らには様々なアイデアや考え方がある。私はどれが正しくてどれが間違っているか言うことはできない。しかし必要であれば、彼らのためにオープンな形で議論できる場を設けるのは正しいことだ」

「F1としてその姿勢を変えることはないだろう。それがF1の方針であるべきだ。攻撃的な調子を出したり感情を害するのではなく、敬意を持ってすべての人が正しい形で話すことのできるチャンスを与えることだ」

 ドメニカリは、F1におけるアクティビズムに関するFIAの新ポリシーに反対しているだけでなく、ドライバーたちがF1の支援のもと実際にF1の基盤を使用してオープンな議論が必要な事柄に「スポットライト」を当てることを奨励している。

「昨年この件についてドライバーたちと話し合いをした。話し合うべきだと我々が考える特定の事柄にスポットライトを当てるにあたって、F1がどのような基盤になり得るかということをだ」

「ドライバーがある件について話したいのであれば、F1はそれを支持するべきだ」

「非常に建設的な対話をすることが重要だ。これができていないと、問題がないはずのところに問題や混乱が起きてしまう」

「我々はこの状況を見守り続けている。ドライバーに常に情報を提供し、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)と会って話をする。ドライバーが人間としてオープンであることを、このスポーツのなかでいかに許容できるかということをだ」

「アスリートはあることについて非常に感情的になったり情熱的になったりするところがある。彼らはそうしたことを信頼できる人々と建設的に話し合う必要がある」

 ドメニカリはまた、FIAの新しいポリシーと発言の自由の観点から、何が許され、何が許されないのかということについてより明確な説明を期待していると明言した。

「我々はレギュレーションについて話をしているが、レギュレーターはFIAだ。許されない特定の部分を尊重するという観点から、FIAはこれまで述べてきたことについて明確にしてくれると信じている」

「FIAがF1と同様の見解を共有していると確信しているが、彼らはオリンピック連盟の一員であり、遵守しなければならないプロトコルがある」

ステファノ・ドメニカリCEO&モハメド・ビン・スライエムFIA会長

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