【F1テスト新車情報:アストンマーティン】特徴的なサイドポンツーンを持つAMR23。入り口の形状やくぼみに注目
2月23日、バーレーン・インターナショナル・サーキットでF1の2023年シーズンのプレシーズンテストが始まった。2月上旬から行われた新車発表では、いくつかのチームがカラーリングを発表するのみにとどまっていたが、このテストでようやく全チームの実車が出揃った。今回はアストンマーティンの新車『AMR23』を特集する。
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レッドブルでマシンの開発を行っていたダン・ファローズが、2022年4月にアストンマーティンに移籍してテクニカルディレクターとして初めて製作したマシン、AMR23。
大きくレギュレーションが変更された昨年、アストンマーティンはノーズをやや持ち上げて、フロントウイングはその付け根から先端へ向けて両側へ下がる翼の形状をした、アンヘドラルウイング型を採用したものの、テストでタイムが伸びず、開幕戦後に断念。多くのライバル同様、ノーズの位置を下げて、フロントウイングをできるだけ地面に近づけたタイプに変更し、中盤以降盛り返し、なんとかコンストラクターズ選手権7位でシーズンを終了。今年はさらにノーズの先端をメインフラップまで伸ばしたロングノーズを採用してきた。
フロントサスペンションも大きく変えてきた。昨年は上下のアームがほぼ水平で、アッパーアームの車体側の付け根はプッシュロッドの車体側の付け根よりもかなり下にマウントされていたが、今年はプッシュロッドの車体側の付け根とほぼ同じ高さとなり、全体に「へ」の字になっている。
サイドポンツーンの入口の形状が昨年までのスクエアなタイプから、やや逆三角形になった。それにともなって、サイドポンツーンの下側が大きくえぐられている。この部分の絞り込みはアストンマーティンが最もアグレッシブとなっている。
今年のアストンマーティンの最大の特徴は、このバスタブ型のサイドポンツーン。上面の中央が横から見えないくらい大きくくぼんでいる。まるで穴でも空いているかのようだが……。
実際にはこのように穴は開いておらず、ディフューザーに向けて、風の通り道になっている。ただし、バスタブ型の特徴である上面フラップは見当たらず、形状はバスタブだが、コンセプトはダウンウォッシュ型といっていいだろう。
カウル内の排熱はヘイローの付け根の後方にあるルーバーだ。ただし、カウルのエッジに排出口を設けていないためか、その数はレッドブルやアルファロメオの7枚より倍以上多い18枚となっている。
一時はレッドブルを模倣して「グリーンブル」と呼ばれたこともあるアストンマーティンだが、元レッドブルのダン・ファローズが入って、逆にオリジナルティの高い作品となったAMR23。今後のアップデートが楽しみだ。
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