昨年よりも1.5秒速い! F1バーレーンテストでの各車パフォーマンスにピレリも驚き隠せず

 

 3月5日の開幕戦に向け、バーレーン・インターナショナル・サーキットで3日間にわたって開催されたF1プレシーズンテスト。そこで各チームが見せたパフォーマンスはタイヤサプライヤーのピレリにとっても驚きだったようだ。
 F1は2022年に大規模なレギュレーション変更が行なわれ、グラウンドエフェクトを活用した新世代のマシンに変わった。この年のバーレーンテストの最速タイムはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが記録した1分31秒720。履いていたタイヤは最も柔らかいC5タイヤだった。
 そして今年のテストに向けてピレリは、C0〜C5という6種類のドライタイヤを1台あたり30セット供給。加えてC3プロトタイプタイヤを2セットずつ用意し、各車の動向を見守った。昨年まではC1〜C5の5種類の内3種類を指定してレースウィークに持ち込んでいたピレリだが、昨年までのC1を“C0”として、昨年のC1とC2の中間に位置するコンパウンドを新開発して新たに“C1”としたのだ。
 そんな中、2日目の段階で昨年のフェルスタッペンを上回るタイムが記録され、最終日にはレッドブルのセルジオ・ペレスが1分30秒305をマーク。昨年のフェルスタッペンより1.4秒速いタイムを、C5よりも1段階硬いC4コンパウンドで記録してみせた。
 ペレスの他にも、テスト最終日2番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)、3番手のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)もC5タイヤで1分30秒台のタイムをマーク。昨年はフェルスタッペン以外は1分31秒台にも乗せられていなかったことを考えると、各チームの全体的なパフォーマンスが上がっていると言えるだろう。
 このような3日間の結果を踏まえ、ピレリのモータースポーツディレクターであるマリオ・イゾラは次のようにコメントした。
「この3日間のテストはチーム、ドライバー、そして我々にとっても非常に有益なテストとなった」
「各チームは来週末のレースに向けてセットアップを調整し、ドライバーはバーレーンGPで使用予定の新コンパウンドを含めたピレリの最新タイヤレンジを体験し、自信を深めていった」
「本日(3日目)に記録されたラップタイムは、同じコンパウンドを履いて記録された2022年のタイムと比較しても平均で約1.5秒速くなっているのだから驚かされる。これはサヒールのように、トラクションとブレーキが重要な一方でタイヤを酷使するような長いコーナーが多くないサーキットにおいて大きな意味を持つ」
「来たるレースウィークで良い選択肢になるだろう新C1タイヤは各チームから好評であり、パフォーマンスレベルも良さそうだ。タイヤの種類が増えたことにより、選択の自由度が上がるだけでなく、サーキットにより適したコンパウンドを持ち込めるようになる」
 ピレリは1週間後のバーレーンGPでハードタイヤにC1、ミディアムタイヤにC2、ソフトタイヤにC3をチョイスしている。そのため今回のテストでは各チームが主にC3、C2タイヤを使ったロングランを積極的に実施しており、デグラデーションの傾向などをチェックしていた。特に最終日は風も弱く気候も安定しており、開幕戦に向けて有用なデータが集まったはずだ。
 
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