女性ドライバー限定の新シリーズ『F1アカデミー』のマネージングディレクターにスージー・ウォルフが就任

 

 F1は、新たな女性ドライバー限定のシリーズである『F1アカデミー』のマネージングディレクターに、スージー・ウォルフが任命されたことを発表した。

 F1アカデミーは、国際的なシングルシーターレースの上位カテゴリー参戦を目指す若い女性ドライバーの育成を支援するために創設された。初年度となる2023年は、15台のマシンが参戦し、全7戦(1大会3レース制)で争われる。

 元DTMのドライバーで、ウイリアムズF1の開発ドライバーも務めていたウォルフは、モナコを拠点としフォーミュラEに参戦するベンチュリ・レーシングのチーム代表という、彼女にとって初めてのマネジメントの役割も担ってきた。

2014年F1イギリスGP スージー・ウォルフ(ウイリアムズ 開発ドライバー)
2014年F1イギリスGP スージー・ウォルフ(ウイリアムズ 開発ドライバー)がフリー走行に出走
今季限りでABB FIAフォーミュラE世界選手権で率いて来たロキット・ベンチュリ・レーシングの代表から退くことを表明したスージー・ウォルフ
今季限りでABB FIAフォーミュラE世界選手権で率いて来たロキット・ベンチュリ・レーシングの代表から退くことを表明したスージー・ウォルフ

 F1は、ウォルフのマネージングディレクター就任によって、「F1アカデミーのドライバーとチームに独自の洞察が組み合わされた強力な戦略的アプローチが提供され、我々がこの旅路における15人のドライバーたちに与えようとしている体制を強化する」ことになると述べている。

 マネージングディレクターとして、ウォルフはF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリの直属となり、「F1のピラミッドのより高いレベルのカテゴリーに直結する道を作り上げることに焦点を置き、モータースポーツの才能を持つ女性たちの育成の陣頭指揮を執る」ことになる。

「スージー・ウォルフがマネージングディレクターとしてF1アカデミーに加入するのは素晴らしいニュースだ」とドメニカリは語った。

「スージーは、ドライバーとしてもチーム代表としても、モータースポーツの最高峰に到達するために何が必要か理解している素晴らしい人物だ」

「彼女は豊富な経験と、実地で得た知識を持ち合わせており、レースのピラミッドを上がっていこうとする過程において、我々とドライバーたちに大きな恩恵をもたらすだろう」

「誰もが真の可能性を発揮し、夢を達成できるように、我々はスポーツにおける機会を最大化することを約束する。より多様性と包括性のあるスポーツになるという我々の計画において、F1アカデミーは非常に重要な役割を果たすと信じている」

2023年F1バーレーンテスト3日目 F1の代表兼CEOを務めるステファノ・ドメニカリ
2023年F1バーレーンテスト3日目 F1の代表兼CEOを務めるステファノ・ドメニカリ

 ウォルフは、「F1アカデミーは、レーストラック内外において、モータースポーツのエリートレベルに到達しようという女性の才能を発掘し育成するための最良の仕組みを作ることで、この業界における真の変化をもたらす機会となるでしょう」と述べた。

「やるべき多くの仕事がありますが、正しいことを行うという明確な決意もあります。そうすることで、F1アカデミーはレースを超えた何かを表現することができると信じています。F1アカデミーは世界中の女性たちが夢を追いかけ、才能、情熱、決意を自覚する刺激となるでしょう。彼女たちが達成できることに限界などないのです」

「これはまた、私にとってキャリア上の重要な新章でもあります。多様性と啓発に向けた私の情熱からこれまで培ってきた経験を組み合わせていくのです。個人としてもプロフェッショナルとしても意味のある役割を私に任せてくれたステファノに感謝したいと思います」

 FIA F2とFIA F3のゼネラルマネージャーを務めるブルーノ・ミシェルは、ドメニカリの直属となり、F1アカデミーシリーズでもゼネラルマネージャーとして運営面を担当して、技術および競技の面ですべてのチームと連携する。

 F1アカデミーは、2023年シーズンを4月のカタロニア・サーキットでの公式テストで開始する。その後4月末にオーストリアのシュピールベルクでチャンピオンシップが開幕予定だ。

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