ウイリアムズF1代表、かつてサージェントに下した評価は間違っていたと認める「資金援助をしたチームが正しかった」
ウイリアムズの新チーム代表ジェームズ・ボウルズは、チームがルーキーのローガン・サージェントと契約したことについて、サージェントのポテンシャルを懸念したのは間違っていたと認めた。
フロリダ出身で22歳のサージェントを抜擢したのはボウルズの前任者のヨースト・カピートだった。カピートは冬の間にチームを離れたが、2023年シーズンのドライバー選択についてはボウルズが関与できない段階に来ていた。
サージェントは2023年シーズンにフルタイムで走ることが確定した最後のドライバーだった。2022年に参戦していたFIA F2選手権の4位という順位が確定するまで、F1で走るために必要なスーパーライセンスポイントを獲得できるかどうかが不透明だったからだ。
この起用は、アメリカでのF1人気を定着させるために、アメリカ出身ドライバーの採用にF1界全体が躍起になっていると大いに取り沙汰された。そうした意味で、サージェントのF1参戦は早すぎたお膳立てだった可能性もあった。しかしボウルズは、サージェントの才能について当初抱いていた懸念はまったくの杞憂だったと述べた。プレシーズンテストや開幕戦バーレーンGPで目の当たりにしたサージェントのパフォーマンスに、すぐに納得したという。
「テストの1周目から、彼にはペースがあることがすぐにわかった」とボウルズは認めた。
「馴染むのに少し時間がかかるのではないかと心配して、彼についての発言には慎重になっていた時期もあった」
「F1初戦では想像を絶するプレッシャーがあったと思うが、いともたやすく乗り越えた。1コーナーでワイドという展開になった時があった。ルーキーのレースでそのような状況になったら、普通は悲惨な結果となる。彼は何事もないかのように切り抜けたが、極めて成熟した走りだった。そしてそこから先、みんながシーズンを通して目にすることになるだろうが、彼はさらに前に進むと確信している」
サージェントは開幕戦バーレーンGPを12位で終え、ルーキードライバーのなかでトップでレースを終えた。他にはニック・デ・フリース(アルファタウリ)が14位完走、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は電気系統のトラブルで13周目にリタイアとなった。
ボウルズはメルセデスF1でのキャリアが長かったことから、同チームの本拠地ブラックリーで3人のルーキーのいずれとも会ったことがある。
「ローガンがメルセデスに来たのはシミュレーター評価のドライバーとしてだった。彼の成績には目を引くものがあったので、走りを見るのに興味があった。とりわけ、F3の平均的なチームに在籍しながらいい成績を収めていた点だ」
「彼はオスカーと一緒に走っていた。私はオスカーも高く評価している。しかし当時のメルセデスには優秀なドライバーがたくさんいた。だから彼との縁もそこでいったん切れてしまった」
2020年のFIA F3選手権はピアストリのタイトル獲得で終わった。サージェントはシーズン終了時点でピアストリにわずか4ポイント及ばなかった。彼はそこからアメリカのシングルシーターレースに移籍しそうになったが、最終的にF2へとステップアップしウイリアムズのテストドライバーとなった。
「ウイリアムズが彼のF2参戦で資金援助をした。ウイリアムズが彼を資金面で支えたのは、その才能が本物だと確信があったからだ」
「私が彼についての発言に慎重になっていたのは、F2以前の段階で正当な評価を下すのは難しいと感じていたからだ。今や適切なマシンに乗るようになったので、データを検証できるようになった」
「彼がウイリアムズに来たのは実力があったからであり、彼に投資するという正しい選択をウイリアムズがしたからだ。端的に言って、私の前職での判断が間違っており、ウイリアムズが正しかったということだ」
第2戦サウジアラビアGPでのサージェントは、はルーキーらしい成績となった。予選でミスを犯しレースを16位でフィニッシュ、デ・フリースやピアストリの後塵を拝した。
「スタートしたときからしっくりこなかった」とサージェントはレース後に語った。
「マシンと一体になれていない感じがした。高速コーナーは本当に苦戦した」
「前半の30周はまだよかった。後半の20周になると、タイヤを温存するのに必死で、終盤が近づく頃にはばらばらになりそうだった」
「しかし、この週末は学ぶことがたくさんあった。あのレースの終盤になぜ順位が落ちていったのか、そこからたくさんの教訓を引き出せる。それが不幸中の幸いだ」
「次のレースに向けて自信が深まっている。今週のレースでは、難しいコースでも自分はかなり速く走れることがわかった。勢いを保ったままメルボルンに乗り込んでその状態を再現し、さらに上を狙えたらいいと思っている」
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