ペナルティ消化中は”お触り厳禁”! ペナルティ撤回騒動でルール明確化「明文化されていない慣行は他にもある」

 

 FIAは、ピットストップでのタイム加算ペナルティの消化における”作業禁止”の定義がF1第2戦サウジアラビアGPで物議を醸した件について、ジャッキであってもマシンに触れてはならないとルールを明確化した。
 サウジアラビアGPでは、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がスターティンググリッドからはみ出していたとして、5秒のタイム加算ペナルティを受けた。
 アロンソはレース中、ピットストップでこのペナルティを消化。3番手でチェッカーを受けたのだが、メルセデスはアロンソにペナルティが出る可能性があるとして、レース終盤に4番手を走っていたジョージ・ラッセルにプッシュを命じていた。
 これは、メルセデスがアストンマーチンのピット作業を映像でチェックし、リヤジャッキがマシンに触れていることを発見。FIAにそれを知らせていたからだという。
 FIAはジュネーブのリモートオペレーションセンターを通じてこの問題を調査し、レース後にアロンソに10秒のペナルティを科した。これにより、アロンソは4位に降格。代わってラッセルが3位を獲得した。
 スチュワードは、FIAスポーツ諮問委員会の最近の会合で、ペナルティストップ中にジャッキがクルマに触れてはいけないことが合意されており、アストンマーチンが”クルマが静止してからペナルティを消化するまで、作業してはいけない”という規定に違反したと考えたのだ。
 しかしアストンマーチンはレース後のペナルティについて抗議を行ない、チームはスチュワードに対して、この問題が確かに議論されたものの、ジャッキがマシンに触れることが違法であるという確固たる合意はなかったことを示すことができた。
 また、アストンマーチンはメルセデス、アルピーヌ、アルファタウリ、ハース、マクラーレンが最近行なったペナルティピットストップで、ジャッキがマシンに接触していながら違反だと判断されなかった7例のビデオを提示したという。
 スチュワードはこれを新たな証拠とみなし、アロンソの10秒ペナルティを撤回、アロンソは3位の座を取り戻した。
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 この騒動は当然FIAへの批判に繋がったが、FIAは「FIAが採用している透明性の高いアプローチに基づき、徹底的な分析が行なわれ、スポーツの改善に役立つ結論が導き出された」と述べ、事件の検証を迅速に進めることを決定した。
 そしてオーストラリアGP初日の午前中に行なわれたチームマネージャー会議でさらなる議論が行なわれ、ペナルティピットストップに関する結論が出された。そして以下の3点を含む競技指令としてチームに通達がなされた。

明確にするため、また追って通知があるまで、ペナルティ中に手や道具、機器(フロントとリヤのジャッキを含む)でマシンやドライバーに触れることは、すべて作業とみなされるものとする。
ペナルティ中に冷却ファンを使用することは、そのファンが車両に物理的に触れないという条件で許可される。
 既に一般的に行なわれているように、ピットストップ前に発生した複数のペナルティは、1回のピットストップで連続して受けることができる。例えば、5秒+10秒のペナルティは、1回の15秒のペナルティとして消化することができる。

 また、そもそもアロンソが最初のペナルティを受ける原因となったグリッドのはみ出しに関しても、オーストラリアGPではグリッドを20cm拡幅し、試験的に中央線を追加するという対策がなされている。

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