レッドブル&HRC密着:ホンダとともに4度目の挑戦、モナコで初ポール獲得。ホーナー代表も感謝を述べる
木曜日にチームで行われた会見でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、ホンダが2026年からアストンマーティンと組み、2025年限りでレッドブルと決別することを寂しいと語ったのに続いて、金曜日の国際自動車連盟(FIA)の会見ではクリスチャン・ホーナー代表も次のように語った。
「今日のホンダの決断を知っていたら、我々は同じ判断をしただろうか? 絶対にそれはない」
ホンダへの恨み節ともとれるこのホーナーのコメントは、多くのメディアで配信されたが、ホーナーはこのコメントの前後でじつはホンダへの感謝も語っている。
「ホンダの撤退がなければ、我々はこのような飛躍をすることはなかっただろう。我々はホンダの撤退によって、自分たち将来を見つめ直し、カスタマーを卒業するという決断を下した。パワーユニットを自分たちで開発・製造し、シャシーと完全に一体化させることで生まれる相乗効果は、長期的に見れば大きなメリットになる。独自のパワーユニット施設を作ることを後押ししてくれたという点で、ホンダには感謝すべきだと考えている。それに伴って新たな雇用も生まれたし、フォードとのパートナーシップも誕生した。ただ、我々は現在のプロジェクトに集中している」
セルジオ・ペレス(レッドブル)もホンダへの感謝を述べている。
「ホンダのスタッフと一緒に仕事ができたことは、とにかく光栄だった。ホンダのスタッフは僕たちドライバーのフィードバックに注意深く耳を傾け、僕が何かを要求するたびに、彼らはすぐに対処し、必ず何かを改善していた。たとえば、シフトチェンジでどのようにエンジンをチューニングするかなど、あらゆることに対応してくれた。それを間近で見て経験できたことは、本当に忘れることができない経験だった。ホンダの人たちの仕事に対する姿勢や、要求されたことに対してひとつひとつ、細部にまでこだわる仕事ぶりは、ドライバーとして本当に感心させられた」
パートナーへ対する感謝の気持ちはホンダのスタッフたちも同じだ。こうしたレッドブル側の声を聞いた吉野誠(HRCレッドブル担当チーフメカニック)はこう語った。
「現在のホンダがあるのは、彼らレッドブル・ファミリーがホンダと一緒に戦ってくれたからです。彼らが我々に手を差し伸べてくれたおかげで、ホンダはここまでやってこれた。その感謝の思いは私たちは絶対に忘れません。現在はレッドブルとアルファタウリに集中して取り組んでいます。2025年までは共にチャンピンシップ獲得に向けて、彼らを全力でサポートしていきます」
ホンダがアストンマーティンと組んで2026年以降もF1活動を継続することを発表した直後に行われたモナコGPの予選で、レッドブル・ホンダRBPTはペレスがQ1でクラッシュして20番手に終わったものの、フェルスタッペンが魅せた。
Q3の最後のアタックを始める前の時点でフェルスタッペンは暫定5番手。しかも、セクター2を通過した時、フェルスタッペンは暫定ポールポジションのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)から0.204秒遅れていた。しかし、セクター3で2度ガードレールに接触するアグレッシブな走りで、逆転でポールポジションをつかみとった。
このポールポジションはフェルスタッペンにとって自身初となっただけでなく、ホンダがレッドブルとパートナーを組み始めた2019年から4回目にして、初のポールポジションでもあった。
ホンダとレッドブルのプロフェッショナルな関係に拍手を贈りたい。
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