フェルスタッペンが今季5度目のPP。ヒュルケンベルグが大荒れの中で2番手【予選レポート/F1第9戦】
現地時間6月17日、2023年F1第9戦カナダGPの予選が行われ、ウエットコンディションで2度の赤旗中断も挟む中、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季5度目となるポールポジションを獲得した。2番手にニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、3番手にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が続いた。角田裕毅(アルファタウリ)は16番手で予選を終えている。
カナダGPの公式予選は現地時間17日16時(日本時間18日5時)より開始された。カナダ・ケベック州の最大都市モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットが舞台となり、直前の計測で気温16度、路面温度18度、湿度88%。セッション直前に雨は上がるも路面は濡れたままであり、サーキット全体を曇天が覆うコンディションとなった。
■Q1:角田裕毅は0.016秒届かず
Q1開始時点では全車がインターミディエイト(浅溝)タイヤを装着してコースイン。しかし、18分間のQ1が開始された早々、周冠宇(アルファロメオ)のマシンがピットアウト早々にスローダウン。周がターン7の脇にマシンを止めたことでQ1は残り14分33秒時点で赤旗中断となる。なお、周は赤旗提示直後にマシンの再始動が叶い、スロー走行でピットに自走で戻っている。
セッションは現地時間16時10分に再開を迎えた。雨雲の接近、降雨のリスクを考えてか、レッドブルの2台も早めにガレージを出てピットレーン出口手前でセッション再開を待ち、フェルスタッペンを先頭に各車コースイン。フェルスタッペンは1分24秒106をマークして、暫定トップに浮上する。
残り10分というところでアロンソが1分23秒581をマークしてトップに浮上。路面はレコードライン上が渇き始めたことで、周回を重ねるにつれてタイム更新が期待される状況に。そんななか、フェルスタッペンが2度目のアタックで1分22秒843を記録するも、続くアロンソが2度目のアタックで1分22秒655でフェルスタッペンを上回る。
Q1後半に入った残り7分30秒、フェルスタッペンが3度目の計測で1分21秒968と、アロンソの2度目のアタックを0.667秒上回る。アロンソは1分22秒051をマークも、ここでは0.063秒フェルスタッペンには届かない。
一方、角田はセッション残り4分時点で18番手、チームメイトのニック・デ・フリースも17番手と、アルファタウリ勢は苦戦。角田は新しいインターミディエイトを投入してタイムアップを狙う。
セッション3分を切った終盤、フェルスタッペンが1分21秒739と全体ベストを更新。ただ、セッション終了間際、1分21秒583をマークしたアロンソが上回る。しかし、フェルスタッペンはQ1最終アタックで1分20秒851までタイムを上げ、アロンソを0.630秒引き離しQ1をトップで終えた。Q1の2番手はアロンソ、Q1の3番手にはランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。
一方、角田は最終アタックで1分22秒746をマーク。しかし、15番手のヒュルケンベルグに0.016秒届かず、16番手でQ1敗退となった。以下、サインツにアタックを邪魔されるかたちとなった17番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)、18番手デ・フリース、19番手ローガン・サージェント(ウイリアムズ)、20番手周までがQ1敗退となった。
■Q2:ルクレール、ペレス、地元ストロールが脱落の波乱
15分間のQ2開始時点では路面状況もかなり改善したことで、DRSが使用可能となった。ただフェルスタッペンを筆頭に多くの車両が引き続きインターミディエイトを装着してコースイン。そんな中、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がただひとりドライ用のソフトをここで装着してコース入り。
フェルスタッペンは最初のアタックで1分20秒135をマーク。しかし、その直後にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が1分20秒098でトップに浮上する。同じくインターミディエイトを履いたランス・ストロール(アストンマーティン)がターン5でスピンを喫し、ウォールにヒットする場面もあったが、ここでフェルスタッペンを筆頭に各車続々とソフトタイヤに交換し、さらなるタイムアップを狙った。
一方、真っ先にソフトタイヤを履いていたアルボンが2周のウォームアップを経て1分19秒471をマーク。さらに翌周には1分18秒725を叩き出し残り8分時点で暫定トップに浮上する。フェルスタッペンもソフトタイヤで再びアタックも、アルボンのアタック時よりも雨粒が強まった影響もあってか記録は1分19秒092に留まり、アルボンに0.367秒届かない。
セッション残り3分を切った時点でセルジオ・ペレス(レッドブル)のみがインターミディエイト、そのほかがソフトタイヤを装着という中、11番手ルクレール、12番手ペレス、13番手に地元カナダ出身のストロール、14番手ケビン・マグヌッセン(ハース)、15番手バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)の5名が脱落圏内という状況に。
ルクレール、マグヌッセン、ボッタスは雨の強まりに合わせ、ソフトから再びインターミディエイトを装着。しかし、タイムアップは叶わず。11番手ルクレール、12番手ペレス、13番手ストロール、14番手マグヌッセン、15番手ボッタスがノックアウトとなった。なお、Q2トップはアルボン、2番手フェルスタッペン、3番手ノリスとなった。
■Q3:波乱続く中、ヒュルケンベルグが2番手獲得
ポールポジションを決める最終Q3は12分間。再び雨が強まりを見せたため、このセッションではDRSは使用できない。なお、真っ先にコースインしたフェルスタッペンを筆頭に全車がインターミディエイトを装着した。
立ち上がりでマシンをスライドさせながらも、フェルスタッペンが最初のアタックで1分27秒059でタイミングモニターのトップに浮上。続いてアロンソがアタックも0.227秒届かずの2番手、ハミルトンが3番手というオーダーに。
翌周フェルスタッペンが1分25秒858で全体ベストを更新。その直後、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がターン7立ち上がりでスピンを喫しウォールにクラッシュ。セッション残り7分11秒というところでQ3は赤旗中断となる。なお、この赤旗提示の直後、ヒュルケンベルグが1分27秒102で暫定2番手に入った。
中断ののち、Q3は17時7分(日本時間18日6時7分)に再開された。雨はさらに強まったが全車がインターミディエイトでコースイン。しかし、フェルスタッペンは1周ののちタイムアップは望めないと判断したか、セッション時間5分を残してガレージにマシンを納めてしまう。フェルスタッペンはガレージ内でウエットタイヤを用意するも、再びコースインすることはなかった。
そのほかのマシンもタイム更新はなく、残り3〜4分を残しガレージへマシンを戻すことに。結局、Q3は赤旗中断前に記録されたタイム順のままとなり、フェルスタッペンが今季5度目となるポールポジションを獲得。2番手にヒュルケンベルグ、3番手にアロンソが続く結果となった。
以下、4番手ハミルトン、5番手ラッセル、6番手オコン、7番手ノリス、8番手サインツ、9番手ピアストリと続き、アルボンはタイムを記録せず10番手となった。2023年F1第9戦カナダGPの70周の決勝は、日本時間19日(月)の3時にスタートを迎える。
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