TTサーキット・アッセンでMotoGP第8戦オランダGPのMotoGPクラス予選が行なわれた。ポールポジションを獲得したのはVR46のマルコ・ベッツェッキだった。
　予選直前に行なわれた30分間のフリープラクティスは、ステファン・ブラドル（LCRホンダ／アレックス・リンスの代役）が転倒する場面があったものの、比較的穏やかなセッションとなった。なおこのセッションはベッツェッキが1分32秒063で最速タイムとなった。
　オランダGP2日目のコンディションは気温25度、路面温度34度だった。なお予選Q1とQ2の振り分けでは、ホンダ勢4名が全員Q1スタートとなってしまっている。
　Q1はヨハン・ザルコ（プラマック）が1分32秒501を記録して、これがひとまずのターゲットタイムに。ザルコはフランコ・モルビデリ（ヤマハ）による追走を嫌い、ペースを落とす場面も見られた。
　そしてザルコの設定した暫定トップタイムを最初に更新してきたのは中上貴晶（LCRホンダ）だった。ただ中上はその後ミゲル・オリベイラ（RNF）とザルコが続けてトップタイムを更新したことにより、3番手に蹴り出されてしまった。
　Q1折り返しでの暫定トップタイムは、ザルコの記録した1分31秒993。2番手以下に0.3秒以上と大きな差を付けるものだった。
　その後も各ライダーが自己ベスト更新のアタックを連発し、中でもオリベイラが速さを発揮。ただそのタイムは1分32秒087で、ザルコには0.1秒ほど届かず2番手でポジションは変わらなかった。
　結局Q2進出となるトップ2に食い込んでくるライダーは現れず、ザルコとオリベイラがQ1を突破した。中上は最終的にQ1を4番手タイムで終え、Q2進出はならなかった。
　なおQ1ラスト1分でマルク・マルケス（レプソル・ホンダ）が転倒。彼はエネア・バスティアニーニ（ドゥカティ）を追いかける戦略を採っていたが、スロー走行していたターン1でそのバスティアニーニに接触してしまった。バスティアニーニが後方を確認してさらにスローダウンした際にマルケスの反応が遅れて追突する形だったが、転倒後のマルケスは納得できていない様子だった。マルケスは7番手、バスティアニーニは8番手でQ1敗退となっている。

■予選Q2
　ポールポジションを争う予選Q2では、初日から好調で今週末いずれのセッションでもトップタイムを記録しているベッツェッキがやはり速さを見せた。ベッツェッキは1分31秒874を記録し、2番手以降には1分32秒台のフランチェスコ・バニャイヤ（ドゥカティ）やマーベリック・ビニャーレス（アプリリア）らが続いた。
　なお前戦ドイツGPのウイナーであるホルヘ・マルティン（プラマック）は、転倒がありタイムを計測できずにQ2後半を迎えた。　
　Q2後半のアタックが始まると、ファビオ・クアルタラロ（ヤマハ）が大きくタイムを更新。1分31秒770で暫定トップに立った。
　しかし他のライダーも暫定トップタイムを更新しようというペースでアタックに突入していた。そしてベッツェッキが1分31秒472とレコードタイムを更新する速さを示し、暫定トップの座を取り戻した。
　バニャイヤ、そしてルカ・マリーニ（VR46）らがベッツェッキに迫るペースを発揮し、ドゥカティ勢がトップ3と言う状況でラストアタックを迎えた。なおマリーニはターン8で転倒してしまい、セッション終了前に走行を終えている。
　サテライトチームにポールポジションを奪われてなるものかとばかりに最後のアタックをかけるバニャイヤだったが、途中コースオフがありアタックは不発。これで予選は終了となった。
　最終的にポールポジションを獲得したのはレコード更新タイムを記録したベッツェッキ。2番手がバニャイヤ、3番手がマリーニとドゥカティ勢／VR46アカデミー勢によるフロントロウ独占となった。
　なお4番手にはクアルタラロが続いており、彼にとっての今季ベストグリッドとなった。彼は負傷を抱えながらの出走となっているが、オランダGPはこれまでにも結果を残している場所だけに、スプリントと決勝に向けて期待が膨らむポジションと言えそうだ。
 
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