キャシディ、今季3勝目! エネルギーセーブのレースでまたも輝く|フォーミュラEポートランド

 

 フォーミュラE第12戦ポートランドePrixの決勝レースが行なわれ、エンヴィジョン・レーシングのニック・キャシディが今季3勝目をマークした。
 舞台はインディカーのレースも行なわれるポートランド・インターナショナル・レースウェイ。ロングストレートや高速コーナーを備えた常設サーキットだ。
 フォーミュラEが普段レースをするストリートコースとはコース特性が大きく異なり、エネルギー消費が激しいことから、各チームはレース前からエネルギーマネジメントが重要になるレースだと見ていた。
 予選では、日産パワートレインを使う日産ワークスとマクラーレンの計4台がすべてグループ予選を突破。だがポールポジションはサッシャ・フェネストラズ(日産)を下したジェイク・デニス(アンドレッティ)が獲得した。これで3ポイントを稼いだデニスが、ポイントリーダーに浮上し決勝レースを迎えた。
 28周のレースがスタートすると、デニスが首位をキープしフェネストラズが続いた。10番手スタートのキャシディは積極的にポジションを上げ、5番手につけた。
 各車は予選よりも1周10秒以上遅いというスローペース。エネルギーを節約しながら位置取り争いを繰り広げた。その中でキャシディは一時トップに立つが、風を受けエネルギー消費が多くなる首位を譲るように、すぐさまアタックモードを使用した。
 5周目、マヒンドラのロベルト・メリがコース上にマシンを止めたことでセーフティカー(SC)が出動。首位ノーマン・ナトー(日産)、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)、デニス、キャシディというオーダーのトップ4だ。
 6番手だったフェネストラズは接近戦の中でフロントウイングにダメージを負っており、8周目のリスタート直前でピットイン。最後方に沈むことになった。
 レースが再開されると上位陣はここで一気にアタックモードを使用。キャシディはいち早く、2度のアタックモード使用義務を消化することになった。
 各車はアタックモードを使用してもペースを上げるわけではなくエネルギーを節約し、隊列は団子状態。広いコース幅を利用し4台以上が横並びになるシーンもあり、目まぐるしく順位が入れ替わった。
 10周目にニコ・ミューラー(アプト・クプラ)にトラブル発生。高速コーナーのターン9~10でまっすぐウォールに激突してしまったのだ。幸いミューラーに大きな怪我はなかったようだが、これで2度目のSC出動となった。
 首位ナトー、その後ろにキャシディがつける形で17周目にリスタート。アタックモードを残していたマシンはここで続々とアタックモードを使用した。
 これで首位に立ったキャシディは、1分21秒台のスローペース。しかし他のマシンも最大限のバッテリーマネジメントを行ない、キャシディを抜かずについていく。各車の差が開かずコーナーでは3ワイドが当たり前の接近戦が繰り広げられた。
 22周目、ダ・コスタがキャシディを抜いて首位に立つと一気にペースアップ。1分12秒台のラップで後続を引き離しにかかった。それを2番手キャシディも離されずに追った。
 SCの走行時間に応じてレース距離が4周追加される中、キャシディが27周目に再び首位に立ち、3番手にはデニスが浮上。デニスは終盤までアタックモードを温存し、一気にポジションを上げた。
 デニスとダ・コスタが激しい2番手争いをするのを尻目に、キャシディが28周目を終了。ラスト4周に入った。キャシディはダ・コスタに抜かれるもすぐさま抜き返し、首位を維持したまま、他車とも遜色ないエネルギー量を残してファイナルラップに突入した。
 ファイナルラップのターン1ではアウト側からデニスがダ・コスタにオーバーテイクをしかけるも、ここでは抜けず。しかしデニスは諦めず、バックストレートでダ・コスタをオーバーテイクして2番手に浮上するが、フィニッシュはすぐそこ。キャシディがトップで最終コーナーを立ち上がり、0.0%までエネルギーを使い切ってトップチェッカーを受けた。
 キャシディは今回と同じようにエネルギーセーブが重要となった第8戦ベルリンで優勝。ポートランドでの優勝は、第9戦モナコに続く今季3勝目となった。
 この結果、デニスはポイントリーダーを維持したものの、キャシディは1ポイント差で追うランキング2番手となった。
 3位ダ・コスタの後ろ、4位にはランキング4番手のミッチ・エバンス(ジャガー)が入った。ポイントリーダーとしてこの週末を迎えたパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)は9位でレースを終えている。
 
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1
37
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