F1コンストラクターズ選手権での浮上を狙うフェラーリ、スプリントのオーストリアにもアップデートを投入か
F1スペインGPで導入した、大幅な改良を施した空力パッケージがSF-23に向上をもたらしたことに意を強くしたフェラーリは、今後はここ数年のようにフルパッケージが整うのを待つのではなく、新パーツが用意でき次第すべてのレースで投入していく方針を採ろうとしている。次戦オーストリアGPは、スプリントフォーマットで行われるグランプリだが、フェラーリはここでもアップグレードを行う可能性がある。
カナダGPがスタートする数時間前に、チーム代表のフレデリック・バスールはモントリオールにおいて、次のように語った。
「私は、大規模パッケージの準備が整うのを待って、それをマシンに投入するというやり方があまり好きではない。新しく開発したものの準備ができたら、すぐにコースで試すべきだと考えているからだ。そうすれば、開発したものがうまく機能するかどうかがすぐに分かる。それに対して、多くの新パーツを同時にマシンに投入した場合、機能するものもあるかもしれないが、そうではないものも出てくるため、何を残すか、何を取り除くかを見定めるのに少々時間がかかる」
次戦オーストリアGPは、スプリントイベントであり、フリープラクティスが1回しかないため、新パーツを評価するのが難しいが、それでも、SF-23には、いくつかの新パーツが投入される可能性がある。スプリントフォーマットでは、金曜のフリープラクティスの後、日曜決勝のグリッドを決定する予選が行われ、土曜にはスプリント用の予選とスプリントが実施され、日曜に通常の決勝が行われる。
フェラーリの情報筋によると、チームはオーストリアGP予選前の唯一のフリー走行セッションで、2台のマシンを使って新たなフロアを試す計画だという。この新フロアによりフェラーリが目指しているのは、マシン下部のより複雑で立体的な新デザインによってポーパシングの悪影響を減らす一方で、ダウンフォースレベルをより安定させることである。
フェラーリはまた、パワーユニット(PU)の電気エネルギーのマネジメント改善を目指しているともいわれる。同じ情報筋によると、フェラーリのエンジニアは、コーナー立ち上がり時のパワー供給がよりスムーズになるソリューションを見出したということで、それによりマシンがより効率的な加速を行うことができ、運転しやすくなり、同時にリヤタイヤへの負担も軽減させることが期待できる。
リヤタイヤのデグラデーションは、SF-23にとっての最大の課題のひとつだった。シャルル・ルクレールとカルロス・サインツは、それによってレースで苦戦してきたため、この問題を解決することは、フェラーリにとって大きな助けになるだろう。
現在コンストラクターズ選手権で4位のフェラーリとしては、最低でも3位に入るために、アストンマーティンよりも良い成績を挙げる必要がある。そして理想的には、メルセデスと2位争いをするところまで持ち直したいところだ。
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