コースオフのマグヌッセン、デ・フリースのドライビングを皮肉る「今、キャリアをかけて戦っているんだろう」/F1第10戦
F1オーストリアGPでニック・デ・フリース(アルファタウリ)とポジション争いをするなかでコースアウトを強いられたケビン・マグヌッセン(ハース)が、デ・フリースのドライビングを辛辣な言葉で批判した。
デ・フリースを抜こうとしたマグヌッセンは、ターン6で行き場をなくしてコースオフした。これに関してデ・フリースには、スペースを残さなかったとして、5秒のタイムペナルティとペナルティポイント2が科された。レース序盤にも、マグヌッセンはデ・フリースとのバトルのなかでコース外に飛び出している。
F1カナダGP決勝でもふたりは激しいバトルを繰り広げ、そろってエスケープロードに直進するという出来事があった。
オーストリアGP決勝後、ターン6でのアクシデントについて聞かれたマグヌッセンは、デ・フリースへの不満を隠さず、デ・フリースはアルファタウリでの将来が不確かであるためにプレッシャーがかかっており、それが走りに表れていると皮肉った。F1ルーキーのデ・フリースは、チームメイトの角田裕毅とのパフォーマンス差を思うように縮められずにおり、シーズンの早い段階から解雇のうわさが浮上している。
「彼はペナルティを受けた。それは正しいことだ。彼は僕をコース外に押し出したんだ」とマグヌッセン。
「彼は自分の将来をかけてレースをしているんだろう。ちょっと絶望的な状況なのかもしれないね。僕には何も言うことはない。彼にペナルティが下されたというのが現実だ」
デ・フリースの方は、このインシデントについて、比較的冷静な発言をした。
「(マグヌッセンとは)コース上で出会うと、お互いに惹かれ合うみたいだね」とデ・フリース。
「ハードなレースをしていた。ペナルティを受け入れる。それについて判断する権利は僕にはないからね。スチュワードが僕にペナルティを科したのだから、僕たちは受け入れるだけだ」
スチュワードの判断については不満の声がしばしば上がっているが、デ・フリースは、自分が受けたペナルティについて個人的な考えを示すことを控えた。
「僕がどう考えるかは、あまり関係ない。僕がペナルティを受けるべきかどうかを決めるのは、僕ではないからね。激しくレースをしているなかで、限界を見つけようとしていた。そういうとき、限界を超えることもあり、そこまでいかないこともある。そのなかで、僕は5秒のタイムペナルティを受けた」
しかしデ・フリースは、スチュワードの裁定に一貫性がないということは認めた。
「裕毅と周冠宇、マックス(・フェルスタッペン)とカルロス(・サインツ)にもこういうことは起きた。コース上では常に起きていることだ。でもそれぞれの状況に対して、微妙に違う判断がなされる。黒か白というわけではないんだ」
「ルールについては理解しているが、負けないためには、ルールの限界までプッシュする必要がある。そうして時には限界を超えてしまい、時には制限内に収まる」
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