F1 Topic:開幕10連勝を達成し、無敵に見えたレッドブルをレース前にふたつのトラブルが襲う

 

 マックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを飾って、チームとして開幕10連勝を果たしたレッドブル。結果だけを見れば、向かうところ敵なしのように見えるが、F1第11戦イギリスGPでは、じつはスタート前の時点でふたつのトラブルがレッドブルを襲っていた。

 ひとつは、フェルスタッペンの怪我だ。スターティンググリッドへ着こうとレコノサンスラップを終えてホームストレートに帰ってきたフェルスタッペンの右手にはテーピングが巻かれていた。よく見ると、テーピングは手の甲と中指の付け根に巻かれており、フェルスタッペンが中指の付け根付近を捻挫、もしくは外傷を負った可能性が高い。

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フェルスタッペンの右手の甲と中指の付け根にテープが巻かれていた

 オランダのメディアによれば、フェルスタッペンが怪我をしたのはイギリスGP開幕前日の7月6日(木)の朝のトレーニングだったとのこと。

 怪我の程度について尋ねられたフェルスタッペンはこう答えている。

「みなさんには、ちょっとおもしろそうなネタかもしれないけど、ただの手の怪我だよ。指と手を同時に怪我したんだけど、走行中のドライビングにはまったく支障ないから大丈夫だよ」

 しかし、日曜日のレース直前のフェルスタッペンは、右手のテーピングされていた部分を何度も触っていた。ドライビングで右手の中指を使用するのは主にシフトアップ時のパドルの操作。その右手を触るという行為は、この時点でフェルスタッペンの右手の中指は完全に完治していないか、テーピングがきついか緩いかという不具合があったと考えられる。

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テーピングされた箇所を気にするフェルスタッペン

 フェルスタッペンはその後、マシンをグリッドに着けると、コクピットを降りて、モーターホームへ行くが、そこでも右手を気にしていた様子がカメラに収められている。さらに、国歌斉唱のためにスタートライン前に集合したときも右を気にしていたフェルスタッペンは、国歌斉唱を終えて自分のグリッドに帰ってきてからいつものようにレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼと最後の打ち合わせをするが、そのときもフェルスタッペンは時折、右手を見ていたのが印象的だった。

 レース後、スポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリーはフェルスタッペンの状態をこう説明した。

「優勝したのだから、大きな問題があったとは思っていないが、100%の状態だったかと言えば、嘘になるだろうね」

 イギリスGPの決勝レース当日に、レッドブルを襲っていたもうひとつの問題がセルジオ・ペレスのマシンだ。

 レコノサンスラップを終えて15番グリッドに着いたペレスだが、ペレスがコクピットを降りると、すぐさまマシンはジャッキアップされ、メカニックたちがフロアの下に潜り込んで、国際自動車連盟(FIA)のスタッフ立会のもと、作業を始めた。関係者によれば、このときペレスのマシンはフロアに何らかの理由でダメージがあり、それをFIAに申請してレギュレーションに認められている範囲内で修復作業していたという。

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グリッドではメカニックがペレス車のフロアの下に潜り込み作業を行っていた

 レース前のシミュレーションでは15番手からでも表彰台圏内までポジションを戻せると予想していたレッドブル陣営だが、結局6位に終わったのは、フロアのダメージが完全に修復しておらず、空力に何らかの影響があったからかもしれない。

 イギリスGPでの優勝&6位は、こうした小さな問題を克服した結果と見るべきか? あるいは開幕11連勝へ向けての不吉な予兆を示す何かのサインなのか? その答えは、1週間後のハンガリーGPでわかるだろう。

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