デニスが完勝! タイトル争うキャシディとエバンスのクラッシュで王者獲得へ大きく前進|フォーミュラE第14戦ローマ
フォーミュラE第14戦ローマePrixは、アンドレッティのジェイク・デニスが今季2勝目をマークし、チャンピオンシップを大きくリードした。
ローマでのダブルヘッダー2戦目となる今回のレース。前日の第13戦の決勝では多くのマシンが巻き込まれる多重クラッシュが発生したが、各チームのクルーが懸命な作業でマシンの修復を間に合わせ、全22台が第14戦のグリッドに並んだ。
ポールシッターはランキング2番手のデニス。ポイントリーダーのニック・キャシディ(エンヴィジョン・レーシング)を予選デュエルズの決勝で下し、ポイント差を2点に縮めた。
前日の第13戦で優勝するなどローマを得意とするランキング3番手ミッチ・エバンス(ジャガー)は4番グリッドからのスタート。一方でランキング4番手のパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)は15番手と中団に沈んだ。
気温35度、路面温度60度という酷暑の中で24周のレースがスタート。スタート直後こそ順位変動はなかったものの、オープニングラップでキャシディがノーマン・ナトー(日産)に抜かれ、3番手に後退。ただキャシディはすぐさまナトーを抜き返し、2番手を奪還した。
ナトーはエバンスにも抜かれ、トップ3がタイトルを争うランキング上位の3台という図式に。デニスは第13戦でエネルギーマネジメントに苦しんだこともあって、1分49秒台までタイムを落として走行した。
すると2周目のターン7で止まりきれず、エバンスがキャシディに追突。エバンスのマシンがキャシディのマシンに乗り上げ、一瞬ヒヤッとするクラッシュだったが、幸い大事には至らず。ただ後続のマシンも玉突き事故のような形となり、セーフティカー(SC)が出動した。
4周目にレースは再開。トップ3はデニス、ナトーにサム・バード(ジャガー)が続くというオーダー。クラッシュしたキャシディ、エバンスはともに走行を再開したものの、エバンスはマシンにダメージがありリタイアとなった。
レース再開直後から、下位のマシンを中心にアタックモードを使用。一方で上位は僅差なこともあり、なかなかアタックモードを使えない展開となった。ただデニスのインを伺ったナトーが接触によりフロントウイングにダメージを負ったことで、デニスがポジションを落とすこと無く最初のアタックモードを消化した。
デニスは、アタックモードを温存して2番手に浮上したバードにプレッシャーをかけられながらも首位をキープし、周回を重ねていく。レースが後半に入った14周目には、デニスが2回目のアタックモードを使用。首位を譲らず危なげなくレースを引っ張っていった。
レース終盤はナトーとバードの2位争いを尻目に、リードをジリジリと広げていったデニスは悠々のトップチェッカー。レース前には、通常の展開ならライバルのエバンスとキャシディに勝ち目がないと語っていたデニスだが、蓋を開けてみれば明暗がクッキリ。ライバルふたりが下位に沈む中で完勝を飾った。
3位はバード。なんとかデニスの前に出てチームメイトのエバンスをサポートしたいところだったが、2位となったナトーを抜くことができなかった。ナトーは日産に今季初表彰台をもたらした。
タイトルコンテンダーの中では、ウェーレインが7位。キャシディが14位でのフィニッシュとなった。キャシディにとっては貰い事故の上、最終ラップに他車と接触したことで5秒のタイム加算ペナルティを受けるなど散々な結果となった。
これでデニスがランキング2番手のキャシディに対して23ポイントのリードを持って、シーズン最後の2レースが行なわれるロンドンに向かうことに。依然としてランキング4番手のウェーレインまでチャンピオン獲得の権利を残しているものの、デニスが圧倒的に有利な状況となっている。
順位
#
ドライバー
チーム
周回数
タイム
差
前車との差
1
27
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