F1 Topic:レッドブル全戦全勝はあるか。山場は“フェルスタッペン未勝利”のシンガポールGPとマルコ

 

 2023年F1第15戦イタリアGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝し、10連勝を達成した。

 レース後、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこう語った。

「V8エンジン時代の2013年にセブ(セバスチャン・ベッテルの愛称)とともに我々は9連勝を達成した。それから7年間は厳しい時期が続いたが、我々の目標や目的を見失うことはなかった」

「あの厳しい時期が我々を鍛え、それを乗り越えてきたことで今がある。今日、マックス(フェルスタッペン)は10連勝を飾り、10年前のセバスチャンの記録を更新した。これは素晴らしい成果であり、チーム全員の努力の賜物だ」

 フェルスタッペンが10連勝を飾ったイタリアGPは、レッドブルにとっても開幕からの連勝を『14』に伸ばした一戦となった。もちろん、今シーズン全勝である。さらに言えば、2022年の第12戦フランスGPからの25戦で24勝となった。その間、敗れたのはジョージ・ラッセル(メルセデス)が優勝した昨年最終戦前のブラジルGPだけ。

 レース後にレッドブルで開かれたホーナー代表の記者会見では「いったい。だれがレッドブルを止められると思うか?」という質問が飛んだほどだった。その質問に、ホーナーはこう返した。

「私は空のキャビネットは好きじゃない。すでに今あるキャビネットがいっぱいになりそうだから、別のものを注文してある。それもいっぱいにしたい」

2023年F1第15戦イタリアGP 優勝を喜ぶクリスチャン・ホーナー/マックス・フェルスタッペン/ヘルムート・マルコ(レッドブル)
2023年F1第15戦イタリアGP 優勝を喜ぶクリスチャン・ホーナー/マックス・フェルスタッペン/ヘルムート・マルコ(レッドブル)

 ヘルムート・マルコ(レッドブルモータースポーツアドバイザー)は、次のシンガポールGPがひとつの山場と語る。

「マックスはシンガポールで勝ったことがない。そこで彼が勝てば、残りのレースも勝てるだろう」

 確かに今年のレッドブルのマシンは、ベルギーGPやイタリアGPなどの高速コースでズバ抜けて強かった一方、モナコGPやハンガリーGPは予選で大接戦となったり、ポールポジションを奪われるなど、やや苦戦を強いられていた。

 ただし、モナコやハンガロリンクに比べると、シンガポールGPの舞台であるマリーナベイ・ストリート・サーキットはストレート区間があるため、たとえポールポジションを獲得できなくても勝てるだろうと、チームスタッフは楽観視している。

 もし、レッドブル・ホンダRBPTが次戦シンガポールGPで勝てば、開幕15連勝で第17戦日本GPを迎える。そして、日本GPで勝利すれば、ホンダにとって1988年のシーズン15勝を上回る16勝目となる。

 ホンダ・レーシング(HRC)の吉野誠チーフメカニックはこう語る。

「記録のことは意識せず、一戦一戦全力で戦うだけです。でも、少なくとも鈴鹿までは連勝していきたいです」

 連勝のままで、母国グランプリを迎えてほしい。

2023年F1第15戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン/セルジオ・ペレス(レッドブル)
2023年F1第15戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン/セルジオ・ペレス(レッドブル)
2023年F1第15戦イタリアGP 連勝を喜ぶレースストラテジストのハンナ・シュミッツ、マックス・フェルスタッペン担当エンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼ(レッドブル)
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「10連勝を誇りに思う」と語るマックス・フェルスタッペンのガールフレンドであるケリー・ピケ
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