【F1アメリカGP予選の要点】これまで以上に縮まったチーム間の差。アップデートを継続しレッドブルに迫るライバル勢
今年のF1第19戦アメリカGP予選は、トップ5にレッドブルが1台も入らない予想外の結果となった。
コンマ1秒を争う接戦となったQ3では、まずフェラーリのシャルル・ルクレールが1分34秒723で暫定ポールポジションに立った。するとレッドブルのマックス・フェルスタッペンが最後のアタックで1分34秒718を叩き出し、トップを奪い返した。
その差、わずか1000分の5秒。しかしその直後、ターン19でトラックリミット違反があったとしてタイムは抹消され、フェルスタッペンは6番手に沈んだ。一方、前戦カタールで同じくトラックリミット違反でQ2落ちを喫していたレッドブルのセルジオ・ペレスは、今回はコースをはみ出すことはなかった。しかしペース自体が伸びず、アルピーヌ2台にも先行されて9番手に終わった。
![マックス・フェルスタッペン(レッドブル)](https://cdn-image.as-web.jp/2023/10/21164636/asimg_SI202310210037_hires_jpeg_24bit_rgb_6f653381db863c1-660x440.jpg)
フェルスタッペンの直接の敗因は、確かにトラックリミット違反だった。とはいえこれまでのように2番手以下に大差をつけてポールを獲得する展開だったら、たとえタイム抹消に見舞われても、ここまで順位を落とすことはなかっただろう。ちなみにフェルスタッペンは直近の2レースでも、鈴鹿で0.581秒、カタールでも0.441秒差をつけて2番手以下を圧倒している。
それが今回のオースティンでの幻のポールタイムは、上述したようにルクレールと0.005秒差しかなかった。そんな僅差の戦いは、上位勢に限らない。ルクレールから9番手ペレスまでわずか0.450秒。その前のQ2でも、トップのルクレールから1秒以内に、15人がひしめいた。
1周5.5km、ラップタイムが1分30秒を超えるサーキットで、これだけの接近戦はそう見られることではない。ほぼ同じラップタイムの鈴鹿サーキットでは、10番手のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はフェルスタッペンに1秒68の大差をつけられている。
さらにいえば同じサーキット・オブ・ジ・アメリカズでも、去年のアメリカGP予選では、ポールシッターのカルロス・サインツ(フェラーリ)から10番手バルテリ・ボッタスまで1秒86の開きがあった。
今年のアメリカGPだけのこの現象は、なぜ起きたのか。フェラーリやメルセデスが、ここでは一発の速さに比較的優れていることは事実である。一方フェルスタッペンは、このサーキットで一度もポールポジションを獲れていない。
![2023年F1第19戦アメリカGP 予選](https://cdn-image.as-web.jp/2023/10/21170712/asimg_1019887903-LAT-20231021-GP2318_230837SNE51155_a0653386af5a9a4-660x440.jpg)
しかしそれ以上に今回の超接戦は、「ライバルたちが急激に、レッドブルに追いつきつつある」からではないだろうか。直近3戦で連続して表彰台に上がるなど、マクラーレンの急成長に目を奪われがちだが、フェラーリ、メルセデスも着々とアップデートを重ねている。
中団勢も同様で、最速レッドブルの空力モデルに倣うマシンが続出した。ハースも今回ようやく、レッドブルタイプのサイドポンツーンを投入した。10チーム、全20台のマシン戦闘力がさらに接近した結果が、今回のタイムのひしめき合いに表れたと言えるだろう。
![ランド・ノリス(マクラーレン)](https://cdn-image.as-web.jp/2023/10/21170238/asimg_1019887033-LAT-20231020-GP2318_155334_F8A7948_426533859d57b7e-660x440.jpg)
![ルイス・ハミルトン(メルセデス)](https://cdn-image.as-web.jp/2023/10/21170548/asimg_1019887872-LAT-20231020-GP2318_223745SNE50911_1a6533865bbf873-660x440.jpg)
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