メルセデス代表、後方から追い上げたハミルトンとマシンを高評価「素晴らしいペースを見せたことが重要」/F1第6戦
メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、2022年F1第6戦スペインGPの決勝レースでルイス・ハミルトンが見せた素晴らしい追い上げについて、バルセロナのグリッド上でおそらく「最速のマシン」だということを示せただろうと語った。
予選で6番手だったハミルトンは、決勝のオープニングラップでハースのケビン・マグヌッセンと接触してタイヤがパンクし、19番手にまで順位を落としてしまった。7度のF1世界チャンピオンは、もはやポイント獲得の可能性はほとんどなくなったと考えて、ここで諦めてエンジンを守ったほうがマシだとチームに訴えた。
しかし、メルセデスのピットウォールは、このまま走り続けようと彼を励まし、ペースの予測を見るかぎりは8位入賞が可能だと示唆した。
気を取り直してフィールド上を一気に進んでいったハミルトンは、その並外れた走りでポイント圏内に入り、さらに4番手にまで上っていった。その後、マシンに水漏れの問題が発生したため、メルセデスのドライバーはふたりともリフト&コーストを余儀なくされ、全66周のレース終盤にハミルトンはフェラーリのカルロス・サインツに抜かれてポジションをひとつ落とした。
「ルイスについて言えば、今日は最速のマシンに乗っていたと思う」と、大きな感銘を受けた様子のウォルフは述べた。
「最後には15秒の遅れから一気に追いついてきた。決勝レースの節目節目で、彼が最速だった。それが、このマシンのポテンシャルを表している」
ウォルフは、ハミルトンの猛追がポイントをもたらしただけでなく、チームとドライバー双方の「士気」を大きく高めたと考えている。
「ドライバーとチームとの間にはたらく力は、明らかにとても大切な要素だ」
「レース序盤にアクシデントが発生して、『またか』とつぶやき、もう上位争いには加われなくなったと考える。ピットストップ後の時点で、最後尾のマシンから38秒かそこらは離されていたからだ。本来ならそこでゲームオーバーだろう」
「しかし、彼がそこから前進し、とても素晴らしいペースを見せたことが重要なのだ。それは彼自身の士気にとってというだけでなく、我々チームの士気にとっても同様だ。そして、問題が生じる前の時点で、一気に4番手にまで上ってくるとは誰が想像しただろうか?」
「彼が走らせていたのは、世界選手権を勝てるマシンに見えた。それは、これまでのレースでは不可能だった。昨年、そしてその前の数年間、我々のマシンが、そして彼が絶好調だったころを思い出したよ」
メルセデスがスペインで導入したアップグレードパッケージは、チームにとってゲームチェンジャーになり得るマシンだということがはっきりと証明された。とはいえ、チームにはまだ学ぶべきこともある、とウォルフは注意を促した。
「我々は、文字どおり実行しながら学んでいる。レギュレーションに対しては、ある意味で油断していたが、マシンにパフォーマンスを取り戻すためにやるべきことを、一歩一歩理解しているところだ」
「この週末に、また大きく一歩進むことができた。上位陣に対する出遅れを半減させられたのではないだろうか。しかし、この戦いでトップに立つためには、まだ長い道のりを進まなければならないのだ」
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