レッドブルに”酷似”したBスペックマシンを投入したアストンマーチン。その理由とは?
アストンマーチンが、F1スペインGPで投入したBスペックマシン。このマシンは開幕戦から使ってきたAスペックとは、サイドポンツーンの形状が全く異なっていた。そしてこのサイドポンツーンは、レッドブルの今季マシンRB18のモノに酷似していた。
これについてレッドブルは、引き抜かれたスタッフと共に機密情報が漏れたと憤慨。FIAは合法であるとの調査結果を報告済みだが、レッドブルはまだ納得していない。
今のF1は、年間の予算上限額がレギュレーションで厳しく制限されている。そんな中で2スペックのマシンを誕生させるのは、理想的ではないようにも感じられる。そんな中でもアストンマーチンは、この2スペックのマシンを登場させたのはなぜなのか?
テクニカルディレクターのアンドリュー・グリーンは、レッドブルから引き抜いたスタッフが合流する以前から、ふたつのプロジェクトが進行していたという。
「我々はふたつのプロジェクトを、7〜8ヵ月同時に進めていた。その時点では、どちらの方が最良の選択肢なのかは分からなかったんだ」
そうグリーンは語った。
「どちらも異なる特徴を持っていた。この新仕様は従来のモノとは特徴が異なるし、大きなダウンフォースを発生しているようには見えなかったのだ」
「従来のモノは、特性という部分では比較的脆弱だったが、大きなダウンフォースを生み出していた。だから、我々は貪欲になったのだ。そして発生するダウンフォース量を活かして、特性をさらに整理していくことを考えた」
予算制限が課されている中でも、チームはふたつのプロジェクトを慎重に管理して進めたという。
「我々が行なったことは、シャシーにはふたつのコンセプトを含めるということだった。そのため、このシャシーでは、古い冷却システムを変更せずに使えるよう設計されている。それは重要なことだった。だからその部分では追加のコストは必要なかった」
「そしてAスペックのマシンのために必要最低限のスペアを用意し、5レースに出場できるようにした。それが重要だったし、それ以上のことはしなかった。だから、両立させるのは可能なのだ」
空力開発に関しては、ひとつのアイデアにだけ焦点を当て、進めてきたとグリーンは言う。
「ふたつのプロジェクトを並行して進めていた時期もあった。でもそのしばらく後には我々はこのマシンの開発を止め、方向性を見極めるためにAスペックマシンの開発に注力した」
「我々は常に両方のスペックを開発していたわけじゃない。両方ともあるレベルまでは進めていた。その後、Aスペックに注力し、ある時点でその性能向上が頭打ちになっていることに気付いた。それでAスペックの開発を止め、Bスペックの開発を再開させたんだ」
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