角田裕毅、FIAの裁定には一貫性がないと指摘「レースディレクターが慣れるまで、生き残らなきゃ」
角田裕毅(アルファタウリ)は、FIAの裁定には一貫性がなく、信頼できないと主張する。
F1モナコGPの際には、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがピットレーン出口のラインを踏んだのではないかとして、フェラーリが抗議を提出することになった。しかしFIAはこの抗議を棄却。その理由は、FIAの国際モータースポーツ競技規則が変更され、ピットレーン出口のラインの扱いが変わったためであった。
昨シーズンまでは”マシンのいかなる箇所”もラインを越えてはならないと規定されていた。これはつまり、ラインを踏んだだけでペナルティの対象となったわけだ。しかし今季(正確には昨年12月)からは、”タイヤ”がラインを越えてはならないとされていて、タイヤがラインを踏んだだけではペナルティの対象とならなくなったのだ。
角田裕毅は昨年のオーストリアGPの際、ピット入口のラインを越えたと判定され、2度にわたってペナルティを受けた。その角田は今回の件に関してルールの適用に一貫性がないと考えており、今後もラインを越えた時にペナルティを科されるかどうか分からないと語る。
モナコのフリー走行で角田は、ケビン・マグヌッセン(ハース)を妨害したとして、今季4回目の叱責処分を受けることになった。もしもう1回叱責処分を受けると、グリッド降格ペナルティを科されることになる。これについても角田は、納得がいっていないようだ。
「FIAを信用できないですよ。いつも、裁定に一貫性がないと思います。僕は今季、既に4回の叱責を受けました。前回のモナコでもまたです。その理由が理解できないです」
「他のドライバーがどんなことをしていたのか、そういうことを言うのは良くないかもしれません。でも他のドライバーがもっと”悪いこと”をしても、調査対象にすらならないんです。他のレースでは、彼ら(FIA)は突然厳しくなります」
「だから、誰かが(ピットレーン出口の)白線を越えたら、ペナルティを科されるレースもあるでしょう」
「僕としては、レギュレーション(が言っていること)を守り、問題を起こさないようにできる限り安全に走ります。だから『マックス(フェルスタッペン)とチェコ(セルジオ・ペレス)が前回のモナコで線を越えてもオーケーだったので、僕らもそうしよう』とは思えません。基準は毎回違うと思います」
FIAのレースディレクターは、昨年まではマイケル・マシが務めていた。しかし今季からはニールス・ウィティヒとエドゥアルド・フレイタスの2名体制となった。これにより経験の面で異なるアプローチが生まれたと、角田は考えている。
「完全に異なるスタイルのレースディレクターだと思います」
そう角田は語った。
「僕は、完全に否定しているわけではありません。彼らが一貫性のあるものにし、全てのチームに対して可能な限り公平にしようとするのは良いことだと思うからです。例えば、コースの白線をトラックリミットとするのは、とても明確なことだと思います」
「でも多くの他のこと、レースにおけるインシデントやトラフィックのマネジメント、そういう全てのことについては、マイケル・マシの方が多くの経験を持っていたと思います」
「それに慣れるまではもっと時間が必要ですし、実際に良いルールを作るための経験を積む必要があります。それまでは、ペナルティを受けないようにして生き残る必要があります」
マグヌッセンも、レースディレクターが現在の仕事に慣れるまでには、もう少し時間が必要だということに同意する。
「FIAに新しい人たちが入ってきたのは、明らかなことだと思う」
そうマグヌッセンは言う。
「確かに、改善されることはいくつかあるだろう。現時点ではおそらく、彼らは新しい仕事に慣れるための方法を見つけているところだ。彼らには、全てを理解するための時間を与える必要がある」
なおアゼルバイジャンGPのレースディレクターズノートでは、ピットレーン入口と出口のラインについて明確化。「”タイヤ”がラインを超えてはならない」と明文化されている。
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