元F1王者ヒル「アロンソはアルピーヌのために結果を出しているトリックスター」。衰えた様子は見えないと語る
1996年F1世界チャンピオンのデイモン・ヒルは、41歳を目前にしても若い頃と変わらない「ずる賢さ」とパフォーマンスを併せもっているアルピーヌのフェルナンド・アロンソが大のお気に入りのようだ。
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPの予選で10番手に入ったアロンソは、翌日の決勝レースでは、マクラーレンのふたりとチームメイトであるエステバン・オコンを抑えて7位入賞を果たした。これで3戦連続のトップ10入りとなったアロンソにとって、F1やドライビングに対する情熱が今も変わっていないことを示すパフォーマンスでもあった。
2度の世界王者がバクーで見せた走りについて、ヒルはポッドキャスト番組の『F1 Nation』で、「能力が枯渇してきたようには見えないし、情熱も失っていない」とコメントした。
「もしも今彼に『上位チームにあとひとつチャンスがある』などと言ったら、彼は飛びつくはずだ。そこへ移って、おそらくは優勝もする」
「問題は、上位チームにとって、どれほど長く彼がそこにいるのか、そしてひとたび彼が会社の経営や権力闘争に関わり始めたら、実際彼にはそうした傾向があるのだが、どれほどの修羅場になるのか、ということだろう」
しかしヒルは、アロンソがこの領域においていくらかの学びを得ているはずだと考えている。
「第一期マクラーレン時代、あるいはフェラーリ在籍時の彼は、明らかにやり過ぎてしまった」
アロンソの熱意と献身を表すひとつの指標として、ヒルはバクーの予選Q1における「狡猾な」動きを挙げた。終盤でエスケープロードに入ったことでイエローフラッグが振られ、各車のポジション争いが無効になったおかげで、彼は自分の順位を守ることができたのだが、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンはこの行為が故意によるものだったと激怒している。
「彼はいいね。非常にずる賢い。クレバーな男だ」とヒルは語った。
「アレックス・アルボンは、彼をとんでもなく図々しい男だと称した。予選で勝負をたくらんだためだ」
「あれは彼の常とう手段だが、私たちはどうもこのトリックスターに惹かれてしまうようだ。彼は、自分が優位に立つためなら、どんな手段でも使える。しかも、少々ふてぶてしい笑みを浮かべながらね」
「そのうえで、しっかりとパフォーマンスを発揮する。迷惑な行為をしながら結果につながらないわけではない。アルピーヌのために結果を出しているのだ」
「私なら、よそのチームへ出して自分たちが同じ仕打ちを受けるよりも、このまま(チームに)置いておくだろう」
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです