バニャイヤ盤石の走りで今季3勝目。ビニャーレス、アプリリアで初表彰台を獲得|MotoGPオランダ決勝
TTサーキット・アッセンでMotoGP第11戦オランダGPの決勝レースが行なわれた。優勝はドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤで、今シーズン3勝目だった。
2022年シーズンのMotoGPはこのオランダGPがサマーブレイク前最後のレース。各ライダーが良い形で前半戦を締めくくるべく、気合を入れていた。
予選ではフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)がレコードタイムを大きく更新する速さを示してポールポジションを獲得。ランキング首位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が2番手、ホルヘ・マルティン(プラマック)が3番手という並びとなった。日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は12番手だ。
オランダGPは雨に見舞われることも多いグランプリ。決勝日は徐々に上空の雲が増えていったものの、幸いレースはドライコンディションで迎えることができた。
全27周の決勝レースのスタートすると、ポールシッターのバニャイヤがホールショットを奪って一気に先行。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が4番手から2番手にポジションを挙げ、クアルタラロは3番手で前を追った。
バニャイヤ-エスパルガロ-クアルタラロらトップ3は、それぞれ0.5秒ほどのギャップでラップを消化。バニャイヤは上位陣の中では数少ないフロントにソフトタイヤを選んだライダーとなっていたが、大きく後続を突き離すまでは至らなかった。
レース5周目、クアルタラロはエスパルガロに接近しつつあったが、ターン5でイン側に入りこんだ際に止まりきれずに転倒。アウト側のエスパルガロはこの巻き添えとなりグラベルへはじき出されてしまった。エスパルガロは転倒こそ避けられたが、15番手にまでポジションを落としてしまった。
なおクアルタラロはその後レースに復帰したが、マシンの状態が芳しくないようで、9周目には一度ピットイン。ただその後は再びコースへ戻っている。
これで先頭集団の並びは、バニャイヤの約1秒後方にマルコ・ベッツェッキ(VR46)、その後ろにマルティンという順になった。
しばらく先頭集団では目立つ動きの無い膠着状態が続いた。マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が4番手に浮上したものの、表彰台圏内までは、まだ1.5秒ほどの差があった。
14周目、レースを続けていたクアルタラロだったが、ターン5でハイサイドを喫して再びクラッシュ。今度は復帰できず、ここでリタイアとなった。
表彰台を狙って追い上げの走りを続けていたビニャーレスは、残り9周でマルティンを追い抜いて3番手に浮上。アプリリアでの初表彰台を射程に収めた。
なお残り10周時点で、一部マーシャルポストで降雨を知らせるレッドクロス旗が降られた。レインタイヤ装着マシンへの乗り換えの許可が出るなど、慌ただしい雰囲気が漂い始めた。
この時点でのトップ3はバニャイヤ、ベッツェッキ、ビニャーレス。彼らはそれぞれ1.3〜1.5秒ほどのギャップとなっていた。
なんとか天候は保ち、レースは残り5周。先頭2台が安定した走りで変化が少ない中、3番手のビニャーレスにはジャック・ミラー(ドゥカティ)が迫りつつあった。
残り3周でミラーはビニャーレスの真後ろまで追い上げており、既にタイヤの状況が厳しい兆候を示しているビニャーレスは、防戦一方という状況だった。
厳しい防戦の続いていたビニャーレスに対し、ミラーは残り2周の最終シケインでオーバーテイクをしかけたものの、オーバースピードで曲がりきれずに後退。これで1秒ほどの差がついたことで、ビニャーレスにとっては非常に楽な状況となった。
そして最終ラップ、バニャイヤはベッツェッキにギャップを削られつつも、先頭でチェッカー。今シーズン3勝目をポールトゥウィンで挙げた。2位はベッツェッキで、キャリア初表彰台だ。そして3位はビニャーレス。アプリリア移籍後初の表彰台で、今季ベストリザルトとなった。
さらに最終ラップ、エスパルガロは最終シケインでミラーとブラッド・ビンダー(KTM)を2台一気に追い抜く、素晴らしいライディングで4位フィニッシュを達成。クアルタラロの転倒の影響を受けて大きくポジションを下げたところから、怒涛の追い上げを見せた。
クアルタラロがリタイアでノーポイントに終わったこともあり、エスパルガロはポイント差を大きく縮めることに成功。レース前は34ポイント差があったが、21ポイント差まで縮まった。
中上貴晶は中盤まで7番手とまずまずの位置を走っていたものの、トラックリミット違反によるロングラップペナルティが科されてしまった。その結果ポジションを下げ、最終的に12位でのフィニッシュとなった。
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