ルクレール、イギリスGPの激しいバトルを楽しむ「ルールを厳しくしすぎても良くない」

 

 先日行なわれたF1イギリスGPでは、決勝レース終盤にセーフティカーが出動したため、各車が接近。熾烈なポジション争いが繰り広げられた。その中で一部のドライバーたちは、ペナルティをとられかねない動きを見せたが、スチュワードはペナルティを科さなかった。
 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追い抜こうとしたミック・シューマッハー(ハース)のように、アウト側からオーバーテイクしようとしたドライバーがコース外に押し出されたケースや、セルジオ・ペレス(レッドブル)がコーナーのイン側をカットしたシーンもあった。
 フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)やシューマッハーを含む一部のドライバーは、こうしたドライビングが許されるべきではないと感じており、オーストリアGPを前にF1レースディレクターにさらなる明確化を求めると述べていた。
 しかしシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、コース上でのライバルの戦い方に大きな問題はなかったと考えているようだ。
 ルクレールは、レース最初のリスタートでルイス・ハミルトン(メルセデス)、赤旗後のリスタートでペレスと激しいポジション争いをした他、レース終盤にはタイヤの面で有利なライバルたちと激闘を演じた。
「限界を超えているようなモノは何もなかったと思う」と彼は語った。
「もちろん、ハードなレースだったけれど、本当に楽しめたよ」
「つまり、あらゆる状況に対応できるルールがあっても、それが災いして、時にはショーを放棄することになる可能性もあるってことだ」
「僕たちはこの状況をうまくコントロールできたと思う。非常にトリッキーな状況だった。僕たちみんなが限界に近いところでバトルをしていた。でも僕はベストを尽くしたし、楽しかった」
 終盤の2番手争いでペレスに大きく突き放されたハミルトンも、不満はないという。
「僕にとっては全体的にクリアなことだし、僕らのレースは素晴らしかったと思う」
「例えばチェコ(ペレス)と同じようなことを、僕も(彼の立場なら)やっただろう。あれは素晴らしいレースだった」
 しかし同時に、ハミルトンはコースアウトやウィービングによってアドバンテージを得ることについて、もっと明確にする必要があると考えているようだ。
「僕が彼ら(ペレスとルクレール)をオーバーテイクしたときの映像をひとつ見たんだけど、チェコはコースアウトしてアドバンテージを得たと思うんだ」
「そういうシナリオでは、ドライバーとしては一般的に何ができて、何ができないのか白黒をつけることを求めていると思う。それは様々なことに左右されるものではないんだ」
「そのひとつが、ディフェンス時のウィービングだ。何度も動くことは許されないが、一度だけ動くことは常に許されている」
「一貫性を保つために努力し続けなければならない。でも、レースは本当に素晴らしかったと思う。あの週末、本当に良くないことは何もなかったと思う。ルールの適用方法と明確さにおいて、僕たちはより強くなり続けていると思う」
 セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は、最終的にドライバーはライバルに対して公平であったかどうかを自分で判断する責任を負うべきだと語った。
「僕たちは最高の審判であるべきなんだ」と彼は言う。
「そして、もし誰かを突き飛ばしてしまって、それがやりすぎだとわかったら、ペナルティを受ける覚悟をしなければならない。時には彼ら(FIA)が見ていないこともあるだろう。起きてはならないことだけど、起きてしまうんだ。でもフェアである限りは、たとえハードで肘をついたりしても、大丈夫なんだ」
 
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