バニャイヤ破竹の3連勝も、安全策が裏目に「今季最もハードなレースのひとつだった」

 

 ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、MotoGPオーストリアGPで優勝。今季4勝目を3連勝で記録したが、フロントタイヤの選択が原因で今季最も困難なレースのひとつになったという。
 予選2番手から好スタートを決め、ホールショットを奪ったバニャイヤ。気温の低下と雨への懸念もあって、フロントにはソフトタイヤを装着していた。
 しかしレースを通してコンディションが安定。バニャイヤはフロントタイヤのロックに悩まされながらも、最終的に0.492秒差でファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)を抑えて優勝することができた。
「今日のことはとても嬉しい。なぜなら、今回のレースは今季最もハードなレースのひとつだったからだ」
 バニャイヤはそう語った。
「フロントタイヤに関して、最も安全な選択をしていたからね。でも今日のようなコンディションでは、やはりベストチョイスとは言えなかった。雨か気温が下がると思っていたんだけどね」
「でもそれ以外はすべてOKだった。フロントタイヤのロックに何度も悩まされたので、ハードタイヤの方が良かったのかもしれない」
「でもとにかく、今週末もいい仕事ができたので、とてもハッピーだ」
「チームも素晴らしい仕事をしてくれた。FP4までは速さを出すのに苦労して競争力がなかったから、あんな風にスタートできたことに驚いているんだ」
「予選は素晴らしい仕事ができたと思うので、とても満足している」
 チームメイトのジャック・ミラーは、レース序盤からバニャイヤとワンツー体制を構築した。28周レースの7周目ごろからは、「優勝を争えるだけのマシンを手に入れた」と感じてアタックを開始した。
 しかしフロントにソフト、リヤにミディアムというタイヤ選択をしていたミラーは、左コーナーでのグリップに苦しみ後退。ただライバルの脱落にも助けられ、3位表彰台を手にしている。
「バルセロナのテストから、どんな状況でもロングランでも、どんなことがあっても、表彰台を狙えるようになった」
 今季5度目の表彰台獲得となったミラーはそう語った。
「だから素晴らしいことなんだ。今日はマシンが素晴らしく、優勝争いができるほど良かったんだ」
「動かなくてはいけないと思っていた。エネアの後ろにいて、ふたりともフロントタイヤが柔らかかった。冷たい空気が必要だったんだ。あの時点で彼も僕の意図はわかっていた」
「それで突進していったんだけど、なかなかうまくいかなかった。その後、少し苦しくなった。そして彼はあちこちでコンマ1秒ずつ縮めていったんだ」
「レース後半になると、序盤は得意としていた左コーナーでかなり苦しくなってしまった」
 
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