【動画】フェルスタッペンと角田裕毅が最高速度120km/hの“バック走行レース”で一騎打ち
2022年F1第15戦オランダGPが行われる数日前、その舞台となるザントフォールト・サーキットでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と角田裕毅(アルファタウリ)による、ある特別なレースが行われていた。
レースで使用するのは、オランダの自動車メーカーDAFの66というクルマ。一見何の変哲もないクラシックカーにみえるが、じつはこのDAF 66に今回のレースの秘密がある。
その鍵を握るのが、このクルマに搭載された『バリオマチック』というゴムベルト式の無段変速機(CVT)。一般車のようなギヤがないこのシステムにより、DAF 66はバックでも前進時と同じだけのスピードを出すことができるのだ。なんとその最高時速は120km/hに達し、バック走行ならF1マシンも置き去りにできるだろう。
そしてもうお分かりのとおり、このクルマを使ってフェルスタッペンと角田が挑むのは、バック走行でのレースである。果たしてふたりのF1ドライバーは、いつもと逆向きのレースでどんな走りを見せてくれるのだろうか。さあ、まずは予選だ。
「フルスロットルだよ。だってこれは予選だから尻込みしてちゃいけない」と予選を前に気合十分の角田。スタートの合図と同時に、彼はためらうことなくアクセルを踏み込んでいく。
しかし、最初に設けられたシケインに差し掛かったときだった。角田のDAFは、あろうことかコーナーとは逆方向に進み、そのままピットウォールに激突。コーナーをひとつも越えることなく角田の予選は終了してしまった。
角田のクラッシュにあぜんとした表情を浮かべていたフェルスタッペンは、「とにかくフィニッシュすることが作戦」と潔い一言を残して予選に挑む。そして、その言葉どおりに彼は丁寧かつ確実にDAF 66をゴールへ導き、角田からは「彼はクレバーですね」との声が漏れた。
迎えた決勝レースは、フェルスタッペンがポールポジションからリードを広げる展開で進む。追う角田も果敢に攻めるが、むしろそのスピードが仇となってマシンが安定せず、なかなか差を縮めることができない。
そしてザントフォールト名物のバンク角が付いたフーゲンホルツコーナーに差し掛かったとき、角田のマシンは大きく振られ、ここで勝負あり。フェルスタッペンが母国GPの前哨戦で勝利を飾り、バック走行でも現役ワールドチャンピオンの底力を見せた。
レースを終え、「バック走行はF1でも珍しくないけれど、今日は完全に異なる体験になった」と一日を振り返ったフェルスタッペン。彼にとって印象的だったのはやはり角田のアグレッシブな走りだったようで、彼はその勇敢さに敬意を表した。
「DAFはバックでも時速120km/h近く出せるけれど、今日はそこまで出せなかった。時速80km/hを超えるとクルマが揺れ始めてしまうんだ」
「裕毅のスピードには感服した。途中で時速100km/h近く出していたんじゃないかな。全開だったね!」
F1ドライバーがまさかのバック走行レース!? フェルスタッペン VS 角田
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