F1特集|完璧なショットを追い求めて……進化を続けるF1ヘリコプターカメラの知られざるウラ側
今年のフランスGPのフリー走行1回目終了後、ポール・リカール・サーキットに隣接した空港に我々は招かれた。そこで待っていたのは、2007年からF1の空撮オペレーターを務めるベルギー人のリーベン・ヘルマンスだ。
格納庫の一角に停められた紺に白のラインが入れられたピカピカのヘリコプター。ノーズ下には目を引く大きなカメラシステムがある。搭載されているカメラは、F1に相応しい(?)SHOTOVER社の6軸ジャイロ式ジンバル内蔵カメラ『F1』だ。
操縦席はジョイスティックと色々なスイッチ類が詰まったコントローラーが付けられるように改造されており、ヘルマンスは目の前のスクリーンと共にカメラを操作している。
ヘルマンスはF1の世界に入るまで、長きに渡り空撮カメラマンとして活動していた。ただF1に辿り着いたのは偶然だという。
「私は、映像とヘリコプターにはずっと情熱を持っていたのだ」
ヘルマンスはmotorsport.comにそう語った。
「ヘリコプターはいつも手の届かないモノのように思えていたが、空撮ならカメラとヘリコプターへの夢を同時に叶えられると分かったのだ」
「私がF1での仕事を始める前、同僚がF1レースの撮影をしていた。当時はF1自らがプロデュースするレースが年に5〜6回……それ以外のレースは、まだ地元のテレビ局が制作を担当していた」
「同僚の仕事を1回、2回と変わっているうちに、いつの間にか私が空撮のレギュラーオペレーターになっていたのだ。その後、レース数は一気に増え、1シーズン13戦から増え続けている」
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