ハースF1、メキシコとアブダビのFP1でピエトロ・フィッティパルディを起用

 

 ハースF1チームは、ピエトロ・フィッティパルディをメキシコシティGPとアブダビGPのフリー走行1回目に起用することを発表。チームはシーズン中に2度、ルーキーをフリー走行で起用するという義務をこれで消化することになる。
 2度のF1王者であるエマーソン・フィッティパルディの孫である彼は、2020年にクラッシュで負傷したロマン・グロージャンの代役として2レースに出場しているものの、F1においてルーキーの定義はグランプリ出場が2レース以下のドライバーとされており、彼は資格を有しているのだ。
 ピエトロ・フィッティパルディはハースのテスト兼リザーブドライバーを務めており、昨シーズン終了後にアブダビで行なわれたタイヤテストにもハースから参加。2019年車両を改造したミュールカーをドライブした他、今季のプレシーズンテストでは急きょチームに加わったケビン・マグヌッセンがチームに合流するまで、ドライブを担当している。
「メキシコとアブダビでFP1を担当することを発表できて、とても興奮している」
 そうフィッティパルディは語った。
「この素晴らしい機会を与えてくれたハースF1チームに感謝したい」
「今年の初めにバーレーンでこのマシンを運転したが、レース週末にVF-22を運転する機会を得たのは素晴らしいことだ」
 チーム代表のギュンター・シュタイナーは「ピエトロにメキシコとアブダビでVF-22のステアリングを握らせることができ、とてもうれしく思っている」とコメントした。
「彼は2020年に2戦出場しているが、まだ資格を有している」
「バーレーンのプレシーズンテストで初めてVF-22を走らせたとき、ピエトロはいつも通り素晴らしい仕事をしてくれた。彼はまた走りたいという気持ちを強く持っていたので、このセッションでその機会を与えられることをうれしく思っている」
 2022年からルーキーをFP1で起用することが義務化されたが、シーズン序盤ほとんどのチームはルーキー起用に積極的ではなかった。予算上限があるため、2017年のメキシコGPでアルフォンソ・セリスJr.がフォースインディアのマシンを大クラッシュさせてしまったようなケースが起きるのをこれまで以上に警戒しているのだ。
 また、今季はドライバーズチャンピオンは決まったものの、コンストラクターズチャンピオンシップはアルピーヌとマクラーレンが4位を、アルファロメオとアストンマーチン、ハース、アルファタウリが僅差で6位を争っているため、チームとしても起用しづらい状況となっている。
 マクラーレンからのデビューが決まったオスカー・ピアストリや、アルファタウリ加入が決まったニック・デ・フリーズなど、ドライバー市場に動きがあったことで計画変更せざるを得なかったチームもあるはずだ。
 今季残りは4レースだが、そのうちサンパウロGPはスプリントレースが開催されるため、予選前唯一のフリー走行でルーキーを起用するチームはないだろう。一方で、アメリカGPとメキシコシティGPは、ピレリのタイヤテストが行なわれるためFP2が90分に拡大されている。FP1でレギュラードライバーが走行できない影響は軽減できるだろう。
 最終戦アブダビGPもスペアパーツへの心配が小さくなるため、ここでルーキーを起用するチームも多く見られるはずだ。
 
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