レッドブル社が新体制に移行も、F1活動は安泰。故マテシッツ氏が生前に新風洞建設を承認、長期的な予算を確保
エナジードリンクメーカー、レッドブル社が、共同創業者のディートリッヒ・マテシッツの死去後、3人の役員から成る取締役会が同社を率いていくことを発表した。親会社の体制が大きく変更されることになるが、レッドブル・レーシングのF1活動にネガティブな影響はないものとみられる。
10月に78歳で死去したマテシッツは、レッドブル社を通じてさまざまなスポーツへの投資を行い、F1ではレッドブル・レーシング、トロロッソ/アルファタウリの2チームによって活動を行い、多くのF1ドライバーの育成にも取り組んできた。
今週、ディートリッヒ・マテシッツの息子マーク・マテシッツは、レッドブル・グループの全社員にあてた書簡のなかで、「私の父と私が提案し、望み、タイのパートナーが支持したように、取締役会がレッドブルのビジネス業務を管理する」と述べた。
その取締役会のメンバーは、飲料事業CEOとなるフランツ・ワツラウィック、最高財務責任者CFOとなるアレクサンダー・キルヒマイヤー、企業プロジェクトおよび投資担当CEOとなるオリバー・ミンツラフだ。ミンツラフはF1およびその他スポーツプログラムの直接の責任者となる。
マーク・マテシッツによると、「フランツ、アレクサンダー、オリバーは我々のドリームチームだ」と述べ、この体制は父ディートリッヒが提案し、株主の支持を得たものであると述べている。マーク・マテシッツ自身は、レッドブル社における職を辞し、株主として父親から引き継ぐ49パーセントの株式のマネジメントに専念するという。
ミンツラフは2000年から2008年にはスポーツ用品メーカーのプーマで働き、その後、レッドブルのサッカー事業の責任者を務め、ブンデスリーガのRBライプツィヒの取締役会長も務めていたが、その職は退くことになる。
レッドブルは、「オラクル・レッドブル・レーシングの日常業務には変化はない。エリートスポーツの分野で強い血統を持ち、同じ志を抱く人物と密接に仕事ができることを楽しみにしている」と述べている。
ディートリッヒ・マテシッツは、一年近く前から死期が近づいていることを知り、最後の数カ月は、レッドブル社の将来の体制を固め、自身がスタートしたスポーツプログラムの将来を確実にすることに費やした。
メキシコGPの週末、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、同チームの風洞は「冷戦時代の遺物」であると嘆いた後、新しい風洞設備の建設について「新しい風洞に投資することは、ディートリッヒがこのビジネスにおいて行ったコミットメントのひとつだった」と明かした。
チーム関係者によると、マテシッツは生前、モータースポーツにおいて、2030年までの活動を確実にするだけの多額の投資を行う準備を行ったということだ。
ミンツラフはこれまでモーターレーシングとの関わりを持ってこなかったため、彼がF1活動における体制に変更を加えることは考えにくい。そのため、ホーナー代表、モータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコ、チーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイの立場が脅かされるようなことはないだろう。彼ら3人は今後、自分たちが望むとおりにプランを進め、自分自身で運命を決めることができるのだ。
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです