【角田裕毅F1密着総集編】マシンを乗りこなす自信、理解度を深めた2年目。代表は「我々の予想を上回る仕事をした」と評価
角田裕毅(アルファタウリ)が2年目のF1となった2022年シーズンに残した数字は、入賞4回、獲得ポイント12点、ドライバーズ選手権17位だった。デビューイヤーの2021年が入賞7回、獲得ポイント32点、ドライバーズ選手権14位だったことを考えると、いずれも1年目を下回ったことになる。
しかし、角田は2022年を「1戦1戦、自分なりに、いろんな部分で成長できた1年でした」と振り返った。これはアルファタウリのフランツ・トスト代表も認めている。
「ユウキは2年目に大きく成長した。にも関わらず、成績が伴わなかったのは、我々のクルマがコンペティティブでなかったからだ。今年の成績に関して、ドライバーには責任はない。運転しにくいマシンで我々のドライバーたちはよく戦ってくれた」
1年目の2021年から2年目の2022年にかけて、最も角田が成長したのが「限界を見極める能力」だ。
2021年の角田は、時に速さを見せたものの、ミスも多かった。第2戦エミリア・ロマーニャGPでは予選でクラッシュ。その後、モナコGP(フリー走行)、アゼルバイジャンGP(予選)、フランスGP(予選)、ハンガリーGP(フリー走行)でもクラッシュしていた。
問題は、クラッシュしたことではなく、これらのクラッシュをレースではなくそれ以前に犯したこと。マシンの限界を見極める前にクラッシュしたことで、不安を抱えながら予選やレースに臨み、結果として自分の力を出しきれないまま、グランプリを終えていた。
それが2022年はカナダGPとイギリスGP、そしてシンガポールGPでクラッシュしたものの、それらはいずれもレース。マシンの限界を見極めたうえで、少しでも上の順位を目指してリスクを冒した末のクラッシュだった。
角田も「一番はクルマへの理解度が深まりました。それによってクルマを使いこなす自信も深まりました」と語り、こう続けた。
「チームとのコミュニケーションだったり、レースウィークエンドの過ごし方が昨年よりも落ち着いて行えていたと思います。いろんなシチュエーションに対して、しっかりとアダプトしていけました。そういった意味で、2022年の今シーズンのベストレースはイモラ(エミリア・ロマーニャGP)です。レースはもちろんですが、スプリントも含めてレースウィークエンド全体がうまく戦えていたと思います」
トストも2年目の角田に関して「100点中60点」と評価した上で、こう続けた。
「ピエールが70点だから、ユウキが2022年にかなり成長したと言っていい。課題はポイントを獲得できるチャンスをしっかりとモノにすること。イギリスGPでは、彼はチームメイトにオーバーテイクを仕掛けたが、ミスを犯してスピン。自分が入賞するチャンスを逸しただけでなく、スピンした後にピエールと接触し、彼のポイントも潰した。それがなければ、我々はもう少しポイントを加算でき、チャンピオンシップで上のポジションで終えることができたはずだ」
そして、こう言って締めた。
「それでもユウキは2年目にもかかわらず、我々の予想を上回る仕事をしてくれた。最終戦アブダビGPの予選12番手は、ピエールがQ1落ちしたことを考えると、マシンが持つポテンシャル以上の素晴らしい結果だった」
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