マクラーレンTD、もし空力テスト削減の制裁を受けた場合は「もう少し慎重に開発の優先順位をつける」と主張
マクラーレンのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・キーは、もしチームがレッドブルのようにマシン開発におけるペナルティを受けた場合は、「より慎重に戦いを選ぶ」ことになるだろうと予想している。
2022年のFIAによるチームの会計監査の結果、レッドブルが2021年の予算制限1億4500万ドル(約192億円)を180万ドル(約2億4000万円)超過していたことが発覚した。FIAは違反を“軽微”なものと認定したが、これによりレッドブルには700万ドル(約9億3000万円)の罰金と、空力開発時間の10%短縮というスポーツ制裁が科された。
基本の配分は、風洞テストは1日2回までの走行を320回、使用時間は400時間となっているが、フェラーリがその75%を割り当てられているのに対し、レッドブルはペナルティのため63%しか使うことができない。レッドブルのチーフテクノロジーオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイは、この制裁が2023年のチームのデザイン開発に影響するのは必至だと述べている。
「内部テストの削減によって、評価できる件数が減ってしまう。評価できるコンポーネントやアイデアの数が減るわけだ」とニューウェイは説明した。
「賢明に行動し、常に適切なものをモデルに適用していけば、それほど大きな違いにはならない。しかしそのようにうまくはいかないものだ。常に望み通りに作動しないパーツがあり、その逆の場合もある。難しいことだ。この制限は確かに我々に影響するだろう」
マクラーレンで同じポジションにいるジェームズ・キーは、レッドブルに科された制限に自分ならどうアプローチするか見解を示した。
「非常に興味深い質問だ」とキーはメディアに語った。
「優先順位をもう少々慎重に選ばなければならないだろう。もし我々がCFDと風洞使用時間を10%減らされたら、コスト制限に加えて長年にわたってどんどんきつくなっていくATR(空力テスト制限)に対処するのと同じように、状況に適応して強みを発揮することになるだろう。『ここの能力が少し低い』と考えたら、開発ペースを上げ続ける。それこそが意図することだ。もう少し慎重に選ぶようにするのだ」
「今のような処理能力がなかった時に、何年もかけてますますきつくなるATRに、まさにチームが取ったアプローチのようなものだ。適応してその状況から最高のものを引き出すことだ。そしてその翌年には、おそらく何かを学んでいるだろうし、もっと効率的になることができるだろう」
「どんなチームにも悪影響があるだろう。現実には、以前と同じことを試みて時間切れになったり、次のCFDや風洞使用期間を待たなければならないことはない。適応して、もう少し慎重に戦いを選ぶことだ」
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