新規F1チーム参入に否定的だったメルセデス代表、アンドレッティ・キャデラックのプロジェクトにポジティブなコメント
メルセデスF1のチーム代表トト・ウォルフが、アンドレッティ・キャデラックのF1プロジェクトについて、初めてコメントした。新チーム参入に反対の姿勢を示してきたウォルフだが、アンドレッティ・グローバルがゼネラルモーターズ(GM)/キャデラックと提携するというビッグニュースは、彼の見方にわずかに変化をもたらしたようだ。
ウォルフは、アンドレッティ・キャデラックがF1参戦の意向を示したことについて、「キャデラック、GMと手を組むということは、ひとつの声明のようなものだ」と認めた。「彼らがアンドレッティと組んだことは、間違いなくプラスになる」
これまで、ウォルフは、アンドレッティのF1プロジェクトに関し、今のF1には新規チームが加わる必要はないとの考えを公言してきた。しかし1月5日、アンドレッティがゼネラルモーターズと提携し、アンドレッティ・キャデラックとしてF1参入を目指すと発表したことで、状況は変化した。ウォルフは、全面的に歓迎すると述べるには至らないものの、ゼネラルモーターズ/キャデラックの存在は尊重すべきであると示唆した。
「F1にとって有益かもしれないし、そうではないかもしれないが、確かに別の角度からの見方ができるようになった。しかしモータースポーツにおいて、また世界的自動車メーカーとして、GMやキャデラックの歴史に疑問を持つ者はいないだろう」
長年メルセデスのチーフストラテジストを務め、2023年からウイリアムズのチーム代表に就任することが決まったジェイムズ・ボウルズは、ウォルフとともに臨んだインタビューにおいて、アンドレッティとゼネラルモーターズの提携について聞かれ、ウォルフよりさらにポジティブな態度を示した。ただしボウルズは、F1に参入するものは誰であれ、このスポーツに新たな価値をもたらす必要があるという、既存チーム側の主張を再度強調してもいる。
「我々は常にスポーツが成長することに対して前向きだ」とボウルズは言う。
「背景にある事実として、F1は財政的にますます成功を収めている。そのような環境に加わろうとする者は、そこに成長をもたらす必要がある。他の誰もがより良い立場になるか、少なくとも現状維持の立場であるために必要な成長を、効果的にもたらさなければならないのだ。それが最初から言われていたことだった」
アンドレッティとGMの提携についての意見をさらに詳しく述べるよう求められたボウルズは、そのパートナーシップを称賛する一方で、両者がF1への関与をどのように構築するつもりなのか、もっと明確に理解する必要があると答えた。
「アンドレッティにも、キャデラックにも、大きな魅力がある。ただ、彼らがF1をどのような形で、どれだけのものに成長させようというのかをよく理解する必要がある」
ふたりの発言は、アンドレッティのF1参戦を手放しで支持するものではない。これまでのところそういう立場を示しているのはマクラーレンとアルピーヌの代表だけだ。しかしほんの2カ月前のパドックでは、大部分の既存チームが、アンドレッティの参戦をあからさまに否定していた。それと比較すれば、今回のウォルフとボウルズの発言には大きな変化が見られた。ゼネラルモーターズとの提携が、マイケル・アンドレッティのF1計画に対する印象を変える助けになったことは間違いないだろう。
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