「F1に向けて身体の準備を整えることは不可欠」デ・フリース、F1参戦に向けトレーニング内容を大幅に変更
ニック・デ・フリースのモータースポーツのキャリアはF1に昇格したことで変わったが、それにより身体トレーニングのメニューの「大幅な」改良も余儀なくされた。
1年前、デ・フリースはメルセデスでフォーミュラEの新シーズンを迎えており、このシリーズは彼にとって当面のホームとなっていた。その一方でデ・フリースはメルセデスF1のリザーブドライバーを務めていたことから、メルセデスやカスタマーチームのウイリアムズ、アストンマーティンでフリー走行1回目を担当した。
そしてモンツァでのイタリアGPの週末にアレクサンダー・アルボンが急性虫垂炎にかかったことから、ウイリアムズはデ・フリースに代役を依頼した。これはデ・フリースにとって千載一遇のチャンスだった。彼は堂々たる走行で代役ながらトップ10フィニッシュを飾ったため、レッドブルが大きな関心を持ち、最終的にピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍で空いたアルファタウリのレースシートが彼に与えられた。
デ・フリースは、新たな試みと23戦にわたる長いF1シーズンに臨むにあたって身体トレーニングを強化し、F1でのルーキーイヤーに向けて可能な限りの準備を行うことにした。
「基本的にF2までの過程では、いつもトレーニングに力を入れてきた」とデ・フリースはアルファタウリのポッドキャスト『Tauri Talk』で語った。
「トレーニングを楽しんでいた。いつもコーチとトレーニングをしていたよ。でもフォーミュラEに移ってF2とF1から遠ざかったら、鍛えることの重要性が薄くなった。突然、他の多くのことが人生でより重要になる。コースでのパフォーマンスにとって一番重要なことにしたがって、優先順位をつけていくんだ」
「正直なところ、この2、3年は主に自分がやりたいようにトレーニングをしていた。楽しむためにジムのクラスに行っていた。僕はいつも活動的でトレーニングもしているけれど、定期的ではなかった」
デ・フリースは、長年にわたりF1パドックとアルファタウリF1チームで仕事をしているトレーナーのピリ・サルメラについた。サルメラは直近ではガスリーのパフォーマンスコーチを務めていた。
「ピリにつくことで、(僕のトレーニングは)大きく変わった」とデ・フリースは明かした。
「F1に向けて身体の準備を整えることは、欠かすことのできないとても大事なことだと思う。重要というより不可欠だ。だからピリが僕についてくれてとてもうれしいよ」
「彼はF1での豊富な知識と経験を持ち合わせている。チームと何年も過ごしているし、F1に向けた準備をするために何が必要で何が求められているか、正確に理解している。彼が僕を指導し、準備をさせてくれるのは本当にうれしいことだ。僕は彼の仕事を全面的に信頼している」
トレーニングの苦痛を和らげるような身体的な方法はない。しかしデ・フリースは、献身的なコーチが苦痛を共有してくれることに少しの安心感を覚えている。
「(ピリは)僕に苦しい思いをさせていると言うつもりだったけれど、実際のところはそれなりに苦しい思いをしているとき、彼はその苦しみを共有してくれるんだ! とてもありがたいことだよ。苦しいインターバルセッションもきついウェイトトレーニングも、必ず僕たちは一緒にやっているから、それが励みになっている」
「でも準備はこれまでの他のシーズンとはまったく違っている。実際、とても気に入っているよ。アスリートのように準備に力を入れて時間をかけ、一緒に最高の結果を出すために全力を尽くすことが好きなんだ」
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