新導入のハードC1がキーコンパウンドに。レース戦略は予想どおり/ピレリ F1バーレーンGPレポート
3月3〜5日にバーレーン・インターナショナル。サーキットで開催された2023年F1第1戦バーレーンGP。F1にタイヤを供給するピレリがレースを振り返った。
■タイヤから見たレースのポイント
レッドブルがワン・ツーを飾った2023年シーズンの開幕戦バーレーンGP。レースコンディションは土曜日の予選と非常に似ており、路面温度は30度、風はほとんどない状況だ。
優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2位セルジオ・ペレス(レッドブル)、3位フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)から、9位のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)までが最終スティントにハードタイヤを使用した。
レースでは全チームが少なくとも2回ピットストップ行った。第2スティントではタイヤの選択も様々だったが、大半のドライバーはハードコンパウンドを履いてレースを終えた。
4チームがバーチャルセーフティカー(VSC)を利用して3回目のピットストップを行い、ソフトタイヤを装着。最後尾からスタートしたピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、VSC中にピットインしたドライバーのなかで唯一ポイントを獲得し、9位でフィニッシュした。
レースの大部分で上位を争っていたレッドブルとフェラーリは、異なる戦略を選択。両チームともソフトでスタートしたが、レッドブルは第2スティントもソフトを選択し、フェラーリはハードを選択した。そして最終スティントでは両チームともハードを選択し、フェラーリはライバルよりもやや早めにピットストップを行った。
周冠宇(アルファロメオ)はソフトタイヤで1分33秒996のファステストラップを記録したが、トップ10圏外を走行していたためチャンピオンシップポイントの追加獲得はならなかった。なお、ハードタイヤのファステストラップはアロンソの1分36秒156となっている。
■戦略のポイント
スタートでソフトタイヤを履かなかったのはケビン・マグヌッセン(ハース)のみで、マグヌッセンは新品ハードを選択している。最初にピットストップを行ったのはガスリーで、9周目とハードタイヤに履き替えた。
唯一、レッドブルがソフト〜ソフト〜ハードの作戦を採用。また、ガスリー、角田裕毅(アルファータウリ)、ウイリアムズ、ハースの2台は、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のストップによるVSCでピットインしソフトに交換している。
アストンマーティンはフェラーリ勢と同じ戦略を採り、14周目にソフトからハードに交換し、34周目に2度目ピットストップを行いハードでレースを終えた。ランド・ノリス(マクラーレン)はイエローのC2ミディアムを使用した唯一のドライバーだった。
■ピレリモータースポーツディレクター マリオ・イゾラのコメント
「新シーズン最初のグランプリで、レース戦略はほぼ予想どおりの展開になった。全チームが少なくとも2回ピットストップを行い、第2、第3スティントではさまざまな選択が見られた」
「今日のキーコンパウンドは、今年から導入した新しいホワイトのハードC1だ。このコンパウンドは、ここ数日のプレシーズンテストで収集したデータ通りの性能を発揮し、まさに予想どおりの結果となった。レッドのソフトC3は、これまでのデータよりも劣化が少なかった。これはおそらくコースの進化も影響していると思われる」
「ユニークな戦略を選択し、ワン・ツーを達成したレッドブルと、同じく表彰台を獲得したアストンマーティンを祝福する」
■次のレースに向けて
次のレースは3月17〜19日にかけて行われるサウジアラビアGPで、6.174kmのジェッダ・ストリート・サーキットを50周で争う。なお、ピレリは3月7~8日にバーレーンで開発テストを行い、フェラーリは一日のみ、アルファロメオとアルファタウリは両日走行する予定だ。
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